本サイトで提供しているサービス「WPS Cloud Pro」はクラウドストレージ付きのオフィスソフトです。いわゆる「クラウド型オフィス」というカテゴリに分類されるサービスなのですが、この“クラウド型”というのがいまいちピンとこない方もいるのではないでしょうか? 

そこで今回のコラムでは、「クラウド型オフィスとは何か」「買い切り版(パッケージ版)と比較してどのようなメリットがあるのか」について話していきたいと思います。

クラウド型オフィスとは何か

まずはじめにクラウド型オフィスの概要を解説します。

クラウド型オフィスとは、クラウドで利用できるオフィスソフトのことです。クラウドとは、インターネットを経由してコンピューティングシステムなどのサービスを使用する利用形態を指します。クラウド型オフィスでは、インターネットを介してクラウドに接続することで各種オフィスアプリの操作やファイルの保存などを行います。

従来、オフィスソフトといえば買い切り型のサービスが主流でした。

買い切り型においては、パッケージソフトを購入してPCにインストールし、ライセンスやサポートの期限が切れるまでサービスを使い続けるといった用法でオフィスソフトを使用します。この記事をご覧いただいている方の中にも、現在進行形でマイクロソフト社の「Office 2016」や「Office 2019」をパッケージで利用しているという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

これに対してクラウド型オフィスではパッケージを購入するという概念はありません。月額費用を払い、インターネットを経由してクラウドからシステムを利用します。

クラウドへの接続環境は「Google Workspace」のようにフルブラウザでブラウザからの接続利用を前提としたものもあれば、「Microsoft 365」のようにブラウザとデスクトップアプリの両方から接続できるサービスもあります。

いずれにしてもデータの保存場所や作業を行う環境が端末ではなくインターネット上、つまりクラウドにある点が特徴です。繰り返しになりますが、この“クラウドを利用する”という点が端末にソフトをインストールして利用するパッケージ型との大きな違いといえるでしょう。

クラウド型オフィスのニーズ

クラウド型オフィスの概要、およびパッケージ型との大まかな違いについては上述した通りです。インターネット上で利用できる点が最大の特徴といえるクラウド型オフィスですが、市場全体の動向はどうなのでしょうか。

前述したように従来の主流であったパッケージ型のオフィスソフトを利用している企業は現在も数多く存在しています。そのような時勢にあってクラウド型オフィスにニーズはあるのか。クラウド市場全体の動向から見ていき、クラウド型オフィスのニーズを探ってみたいと思います。

成長するクラウド市場

まず始めにクラウド市場全体の動向から見ていきます。

2022年3月31日に、ITおよび通信業界における市場調査・コンサルティングを行うグローバル企業IDCの日本法人「IDC Japan」が発表した『国内パブリッククラウドサービス市場予測、 2022年~ 2026年(*1)』によると、2021年の国内パブリッククラウドサービスの市場規模は前年比28.5%増の1兆5879億円でした。

2021年〜2026年の年間平均成長率は18.8%で、2026年には2021年比で約2.4倍の3兆7586億円に達すると同社は予測しています。

この調査結果からクラウド市場は今後も拡大していくことが予想されます。

さらに、このクラウド市場の拡大に伴い“クラウドファースト”を掲げる企業が増加傾向にあることもクラウド化需要の高まりを支えるポイントです。

多額の費用と時間をかけて自社サーバーにシステムを構築するオンプレミスではなく、必要なシステムだけを選び取って利用でき、かつインターネットさえあればいつでもすぐに使えるクラウドを選択する企業が増えています。クラウド市場の拡大に比例する形で、クラウドを利用する企業の数も増えていくことが予想されるでしょう。

*1:国内パブリッククラウドサービス市場予測、2026年の市場規模は2021年比約2.4倍の3兆7,586億円に

オフィスソフトにもクラウド化の波が

「クラウドファースト」で戦略を計画する企業の増加に伴い、オフィスソフトにもクラウド化のニーズが見込まれています。

法人向けITソリューションをテーマにさまざまな情報を配信している会員制総合情報サイト「キーマンズネット」の編集部が2022年3〜4月にかけて実施したアンケート調査『Microsoft 365とGoogle Workspaceの利用状況(*2)』によると、2021年4月比でクラウド型の「Microsoft 365 (旧Office 365)」が2.6ポイント増加しているのに対し、パッケージ型の「Microsoft Office」は0.6ポイント減少していたそうです。

このことから、わずかながらではあるものの、オフィスソフトにもクラウド化の波が押し寄せていることが伺えます。したがって、クラウド市場自体が拡大傾向にあることから、オフィスソフトにおけるクラウド化の需要も比例して高まっていくことが予測されます。

*2:「Microsoft 365」と「Google Workspace」の利用状況(2021年)/前編 – キーマンズネット

クラウド型オフィスのメリット

前段で示した通りクラウド化が徐々に進んでいるオフィスソフトですが、実際の利用においてどのようなメリットがあるのでしょうか? クラウド型オフィスのメリットを5つにまとめて解説します。

マルチデバイスで使える

1つ目がマルチデバイスで使える点です。クラウド型オフィスはインターネットを経由してオフィスアプリを使用します。そのためインターネットに接続できる端末であればタブレット・スマートフォンなどデバイスの種別を問わず利用が可能です。

サービスによっては1ユーザーあたりの認証台数に制限を設けていることもありますが、だいたいが5台までといったように十分な台数を利用可能なので、一般のビジネスパーソンであれば普段から利用する全てのデバイスでオフィスソフトが利用できます。

さまざまな端末からオフィスソフトが使えるので、タブレットなどを用いて社外の環境からファイルの編集や閲覧などを行うといったことも可能です。「会社に戻らないとファイルの編集ができない」といった悩みが解消されます。

ファイルの共有がしやすい

2つ目がファイルの共有がしやすい点です。クラウド型オフィスはインターネット上のストレージにファイルを保存するので、発行URLを相手に送るだけでファイル共有が完結します。

たとえば、文書作成ソフトで作成した会議の議事録を参加メンバーに共有したいときは、クラウド上のフォルダにファイルをアップロードし、生成されたリンクを相手にチャットやメールで送信するだけで共有できます。

従来のパッケージ型ではファイルの共有は「関係者が閲覧可能な自社サーバーフォルダにファイルを格納する」「メールにファイルを添付して送る」といったやり方が一般的でした。

しかしこの方法には「社外からファイルの確認ができない」「添付可能な容量に制限がある」といった課題があります。その点クラウド型オフィスであれば、マルチデバイスで使えるので社外の環境からでもファイルにアクセスができますし、リンクを共有するだけなのでそもそもファイル添付という概念がありません。

従来の課題であったさまざまな制限に縛られることなく、手軽にファイルを共有することができます。

最新バージョンが使える

3つ目が、最新バージョンが使える点です。クラウド型オフィスは契約期間中は常に最新のバージョンを利用することができます。

バージョン更新では、たとえばセキュリティ強化や他のオフィスソフトとの互換性向上などに関するアップデート、新機能の追加などが行われます。法人として最新のセキュリティが使えることや他オフィスソフトに対して互換性が向上することは大きなメリットです。

一方買い切り版の場合、多くの製品が購入当時のバージョンのまま使い続ける形になります。

そのため、たとえばバージョンアップした製品とファイルのやり取りを行うとき、それに対して互換性をもっていないため「正しく再現できない」といった課題が生じることがあります。

具体例をひとつ挙げてみましょう。MicrosoftのOfficeが「Office 2003」から「Office 2007」にバージョンアップを行なったとき、アプリの仕様が大幅に変更された他、ファイルの拡張子もxls形式からxlsx形式に変わるなどオフィスソフトの内容自体が大きく変更されました。

その結果、2003と2007の間で互換性に関するさまざまな問題が生じました。具体的には「2007のExcelでは開けるファイルが、2003のExcelだと開けない」という事象がありました。

このようにオフィスソフトのバージョン状況は互換性に大きな影響をもたらすことがあります。したがって常に最新のバージョンが利用できるクラウド型オフィスは、セキュリティの維持だけでなく互換性の面でも大きなメリットをもたらすといえるでしょう。

サポート期限がない

4つ目は、サポート期限がないことです。クラウド型オフィスは契約期間中は無期限でサポートを受けることができます。

一方買い切り版の場合、発売から起算して3年や5年ほどでサポート期限を迎えることが多いです。たとえば2018年に発売された「Office 2016」はメインストリームサポートの期限が2023年10月10日まで、延長サポートの期限が2025年10月14日と定められています。Microsoft製品の場合、延長サポートが切れると脆弱性への修正が受けられなくなります。

延長サポートが切れてもオフィスソフト自体は利用できますが、ファイルがウイルスに感染している可能性があるため外部とやり取りを行うのは避けた方が無難です。下手に使用すると他の従業員や取引先のPCをウイルスに感染させてしまう恐れがあります。

したがって法人の場合はサポート期限が切れたオフィスソフトを利用することは事実上不可と考えたほうがよいでしょう。

その点、クラウド型オフィスはサポートが無期限なのでこれらに憂慮することなくオフィスソフトが使用できます。新機能の追加やバグの修正といったサポートも受けられるため、快適にオフィスソフトを利用することが可能です。

コストの見通しが立てやすい

最後に紹介する5つ目のメリットは、コストの見通しが立てやすい点です。

クラウド型オフィスは料金形態がサブスクリプションの形式であることが多く、その場合月額で一定の料金を支払ってシステムを利用します。だいたいが「1ユーザーあたり月額〇〇円」といったプラン形式です。毎月決まった額を支払うことになるので、イニシャルコストがかかる買い切り型のように突発的に多額の支出が発生することはありません。

たとえば新入社員が100名入社してくるとなると、その月の支出はパッケージの購入代金だけでも数百万に上りますが、クラウド型オフィスであれば「新規契約アカウント数×月額利用料」のみで済みます。もちろんランニングコストとして乗っかってくるものではありますが、固定費として勘定できるので中長期で考えたときにコストの見通しが立てやすくなります。

まとめ

今回のコラムではクラウド型オフィスの概要やメリットについて解説しました。クラウド型オフィスはマルチデバイスで使える点やファイルの共有がしやすい点、最新のバージョンが使える点が大きなメリットです。

これらのメリットに十分な価値を感じられるのであれば、買い切り型よりもクラウド型のほうが好適かもしれません。オフィスソフトの新規導入や利用中のオフィスソフトの期限切れにより買い替えを検討されている方は、ぜひクラウド型オフィスの活用も検討されてみてください。

また、クラウド型オフィスの各サービスを比較される際は、ぜひWPS Cloud Proの利用をご検討ください。

WPS Cloud Proは管理コンソール機能が付帯したクラウドベースのオフィスソフトです。文書作成や表計算といったオフィスアプリの利用はもちろん、1ユーザーあたり100GBのクラウドストレージが付与され、さまざまなデータをクラウド上で管理することができます。

さらに、管理コンソール機能ではユーザー情報の管理やセキュリティに関する設定を行うことが可能です。買い切り版だと煩雑になりがちなライセンス管理もツール上で一元的に管理が行えるので、担当者は工数をかけずにライセンス管理の業務が行えます。

また、「アクセス制限」や「ログレポートの抽出」などセキュリティに関連する設定も幅広く行うことができ、企業ポリシーに合わせたツール管理が実現可能です。

ビジネスを加速させるために有用な機能や環境が揃ったサービスとなっておりますので、クラウド型オフィスの導入を検討されている企業様はぜひこの機会にWPS Cloud Proの利用をご検討ください。