製品やサービスの宣伝によく使われる「チラシ」。チラシは1枚刷りの印刷物で、その語源が「散らすもの」の通り、大量に印刷して撒き散らすものとして古くから利用されてきました。
チラシを作成して配布しようと考えている方の中には、その“作り方”について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、販促用チラシは、スライド作成ソフトで簡単に作ることができます。スライド作成ソフトとは、いわゆるPowerPointのこと。
プレゼン資料の作成に用いられることが多いPowerPointですが、チラシのような印刷物を作ることにも利用できます。
今回のコラムでは、PowerPointを使って販促用のチラシを作成する方法をご紹介します。
なお、本記事では、手順の解説にPowerPointと互換性をもったスライド作成ソフト「WPS Presentation」を利用します。
PowerPointを使った販促用チラシの作り方を知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
PowerPointで販促用のチラシを作成する方法は2種類
PowerPointのようなスライド作成ソフトを使って販促用のチラシを作る場合、その方法は大きく以下の2種類にわかれます。
①テンプレートを使う方法
②ゼロから作る方法
「①テンプレートを使う方法」は、簡単かつ短時間で作成できることがメリットです。
「②ゼロから作る方法」は、作成に時間がかかりますが、オリジナリティのあるチラシが作成できます。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
テンプレートを使った販促用チラシの作成方法【簡単かつ短時間】
スライド作成ソフトのテンプレートを活用することで、簡単かつ短時間でチラシを作成できます。
作り方は簡単です。
テンプレートを無料配布しているサイトから好みのものを探し、それをダウンロードしたら、スライド作成ソフトを使って編集するだけです。
非常に簡単ですが、具体的な流れを解説していきます。
STEP①テンプレートをダウンロード
まずはじめに、チラシのテンプレートを無料で配布しているサイトから、用途に適したデザインのテンプレートを探します。
チラシのテンプレートがダウンロードできるサイトを、表にまとめました。
サイト名 | URL |
---|---|
アスクル「パワポン」 | https://ppon.askul.co.jp/ |
マイクロソフト「楽しもうOffice」 | https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/poster |
ASOBOAD「無料チラシ・POPデザインテンプレート」 | https://asobo-design.com/nex/template/free-flyer/ |
キングソフト「テンプレート」 | https://template.kingsoft.jp/template_tag/%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7/ |
これらのサイトからさまざまなデザインのテンプレートが、数多く配布されています。デモ画面やプレビューを確認し、用途に適したデザインのテンプレートを探しましょう。
「これだ」と思うものが見つかったら、PPT形式のファイルでダウンロードします。
今回は、キングソフト「テンプレート」からダウンロードしたファイルを使用します。
STEP②テキストや画像を編集
ファイルのダウンロードが完了したら、スライド作成ソフトでそのファイルを開きます。
キングソフト「テンプレート」からダウンロードしたファイルが、こちらです。
サークルへの勧誘を目的としたチラシです。
こちらをベースに、テキストや画像を編集します。
このように、テキストの変更や画像の差し替え、色の変更などをおこなうことで、自分用のチラシにアレンジすることができます。
完成したチラシがこちらです。画像を変えたり色を変えたりするだけでも、印象が大きく変わります。
レイアウトや使用するオブジェクトはフォーマットが出来上がっており、内容を考える必要がないので、デザインに自信がない方や、素早くチラシを作りたい方は、こちらのテンプレートを使った方法がおすすめです。
ゼロから作る販促用チラシの作成方法【オリジナリティの演出】
オリジナリティのあるチラシを作成したい場合は、テンプレートを使わず、ゼロからチラシを作成することになります。
ここからは、スライド作成ソフトを使ってゼロからチラシを作成する方法を解説していきます。
STEP①ページのサイズを設定
まずはじめにページのサイズを設定します。
デフォルトの設定だと、スライド作成ソフトはPC画面やプロジェクターの投影比率に合わせてページのサイズが設定されているため、一般的なチラシのサイズと合わない可能性があります。
印刷時に余白が生まれてしまう恐れがあるので、最初の段階でページのサイズを設定しておくことが必要です。
ページのサイズ設定は、ツールバーの「デザイン」、「ページ設定」の順にクリックしていきます。
ページ設定のダイアログが表示されます。
スライドのサイズという項目から、ページのサイズが設定できます。
印刷物の大きさに合わせて、サイズを設定しましょう。今回は、チラシでよく使われるA4サイズで設定してみました。
設定完了したものがこちらです。デフォルトのときから、縦が長くなり、横が短くなりました。
STEP②テキストや画像を配置
ページの設定が完了したら、テキストや画像を配置してデザインを作成していきます。
レイアウトや配色は自由です。訴求したい内容や自社のデザインコンセプトなどに合わせて、中身を作り上げていきましょう。
今回は、具体的な手順のイメージをお伝えするために、実際にセールに関するチラシを作ってみたいと思います。
完成イメージがこちらです。
ここからの手順は、筆者の個人的な作り方となっているため、あくまで参考程度にお読みください。
まずはじめに新規ファイルを立ち上げます。
次に、STEP①で説明した「ページのサイズ」を設定します。今回はA4サイズで縦型のチラシとしました。
ページのサイズが設定できたら、「背景」を設定します。「ツールバー>デザイン>背景」の順にクリックしていくと、背景の書式設定のダイアログが表示されます。
このダイアログから、スライド全体の背景について、塗りつぶし設定がおこなえます。
塗りつぶしの設定は、単色やグラデーションだけでなく、ソフトに標準搭載されている「テクスチャ・図」や「パターン」といった柄も選択可能です。
今回は、パターンの「細かい格子柄」を背景に設定しました。
続いて、チラシの内側に枠線をつけます。枠線は、長方形の図形を作成し、設定を「枠線あり・塗りつぶしなし」とすることで作ることができます。
枠線を入れたら、キャッチコピーを入れます。「ツールバー>挿入>テキストボックス」の順にクリックして、テキストボックスを作成します。
キャッチコピーは目立つようにしたいので、文字サイズを大きくしてチラシの上部分に配置します。
フォントの種類によってチラシが与える印象が大きく変わるので、雰囲気に合わせてフォントを変えてみるのもおすすめです。
続いて、キャッチコピーの下に日付の情報を入れます。
次に、デザインのアクセントとして、リボンを入れます。今回は「上カーブリボン」という種類を選択しました。
リボンの上に「お知らせ」の文字を乗せます。
このとき、乗せる文字はテキストボックスを使うのがおすすめです。
リボンの図形に直接テキストを入力することも可能ですが、文字の位置が調整しにくく、変なところで改行されたり、思ったところまで文字が展開されなかったりします。
そのため、別途テキストボックスを作成し、リボンの図の上に重ね合わせる形で文字を乗せるのがおすすめです。
続いて、画像を入れます。「ツールバー>図>ファイルから」の順にクリックしていき、任意の画像をスライドに挿入します。
今回は洋服や雑貨が並んでいるイラストをチョイスしました。
続いて、セールバッジを入れます。「最大70%OFF」というコピーを載せて、お得感を強調します。
セールバッジの作り方は、リボンを作成したときと同じです。星型の図形を挿入し、その上にテキストボックスを重ねてバッジを作成します。
最後の手順です。コピーやフッター情報を入れます。お客様の購買意欲を高めるために「お得に買える商品がたくさん!」というコピーを入れてみました。
また、チラシでは「運営元」や「注意事項」などのフッター情報が必要となることが多いので、チラシの下部にあまり目立たないような形で入れました。
以上でセールチラシが完成です。
チラシを印刷する
チラシが出来上がったら、印刷します。自社の複合機で印刷してもいいですし、枚数が多い場合は印刷所に依頼するほうが安く綺麗に印刷できます。
今回作成したチラシを印刷してみました。
レイアウトが崩れたり、文字が化けてしまったりすることもなく、綺麗に印刷されました。
簡単なデザインならPowerPointで販促用チラシは十分作れる
販促用のチラシは、簡単なデザインであれば、PowerPointなどのスライド作成ソフトで簡単に作成することができます。
Illustratorのようなデザインツールは高機能な反面、操作方法が複雑で扱うのに専門的なスキルが必要です。その点、PowerPointであれば、普段の資料作成と同じ感覚で操作できるため、ITツールが苦手な方でも取り組みやすいかと思います。
「販促活動のためにチラシを作成しないといけない」「簡単なデザインで問題ないから、手軽に作りたい」という方は、ぜひPowerPointを活用して販促用チラシを作成してみてください。
PDF編集もできるオフィス互換ソフト「WPS Cloud Pro」
「WPS Cloud Pro」は月額300円(税抜)で使えるクラウド型オフィスソフトです。「オフィス互換ソフト・クラウドストレージ・PDF編集機能」という、ビジネスで重要度の高い3種類のアプリケーションをオールインワンでご利用いただけます。
WPS Cloud Proなら、スライド作成ソフトを使ったチラシの作成から、印刷用のPDFファイルの発行まで、1つのツール内で完結可能です。
さらに、PDF編集機能によってPDFファイルを直接編集できるので、PDF化したチラシのちょっとした修正やコメント共有がスピーディにおこなえます。
オフィス互換ソフトやPDF編集ツールをお探しの方は、ぜひご利用をご検討ください。