ビジネスの文書作成に欠かせないオフィスソフト。WordやExcelが使えるMicrosoft Officeの製品がよく知られていますが、実はそれ以外にも、オフィスソフトはさまざまな製品が発売されています。
法人向けの製品だけでも十数近くの製品があるため、「オフィスソフトがほしいけど、どれがいいのかわからない」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、法人向けのオフィスソフトでおすすめ製品を10個ご紹介します。オフィスソフトの種類を、月ごとに契約する「サブスク型」と、パッケージソフトを購入する「買い切り型」の2種類に分けて、各製品を整理しました。
知名度が高い製品から、特定の業界に特化した製品まで、幅広い種類のオフィスソフトをピックアップ。
会社で使うオフィスソフトをお探しの方はぜひ参考にしてください。
※本記事に記載の内容、金額は2023年8月末時点のものです。※自社調べ
目次
法人向けオフィスソフトは買い切り型とサブスク型の2種類にわかれる
おすすめのオフィスソフトを紹介する前に、オフィスソフトの種類について簡単に解説します。オフィスソフトは、大別すると2種類にわかれます。その2種類とは、「サブスク型」と「買い切り型」です。
オフィスソフトの種類
サブスク型:月ごとに利用料金を支払って使う
買い切り型:1回の支払いのみでずっと使える
サブスク型とは、サブスクリプションサービスのことを意味します。サブスク型のオフィスソフトでは、月ごとに利用料金を支払ってオフィスソフトを利用します。
買い切り型とは、1回の支払いで入手できるタイプの製品です。従来のオフィスソフトは、ほとんどが買い切り型の種類で販売されていました。読者の方の中にも、家電量販店でパッケージソフトとして販売されているオフィスソフトを買った経験がある方も多いのではないかと思います。
買い切り型はサブスク型とは違い、1回の支払いで製品を購入できるので、追加料金が発生しません。最初に支払った購入代金のみで、オフィスソフトを使い続けることができます。
一方のサブスク型は、一定期間サービスを利用できる権利、つまり「利用権」を買うという仕組みです。継続的な支払いが発生しますが、常に最新の状態にアップデートされた製品を使うことができます。
法人向けオフィスソフトおすすめ10選【比較一覧表】
法人向けのおすすめオフィスソフト10種類を比較一覧表にまとめました。
製品名 | 種類 | 参考価格 |
---|---|---|
WPS Cloud Pro | サブスク型 | 300円 * |
Microsoft 365 | サブスク型 | 750〜2,750円 * |
Google Workspace | サブスク型 | 680〜2,040円 * |
OfficeSuite | サブスク型 | 526〜922円 * |
WPS Office 2 | 買い切り型 | 11,880円 ** |
Microsoft Office | 買い切り型 | 43,980円 ** |
JUST OFFICE | 買い切り型 | ー |
Polaris Office | 買い切り型 | 3,938円 ** |
LibreOffice | 買い切り型 | 無料 |
Thinkfree Office | 買い切り型 | 6,490円 ** |
次のパートから、それぞれの概要や特長について詳しく紹介していきます。
法人向けオフィスソフトおすすめ4選【サブスク型】
法人向けオフィスソフトの中で、サブスク型のおすすめ製品を4種類紹介します。
サブスク型①WPS Cloud Pro
「WPS Cloud Pro」は、キングソフト株式会社が提供する法人向けのクラウド型オフィスソフトです。文書作成や表計算、スライド作成やPDF編集ができるアプリを搭載しています。
WPS Cloud Proの特長は、3つです。1つは、Microsoft Officeとの互換性が高いこと。WPS Cloud Proには、「WPS Office」がオフィスアプリとして搭載されています。WPS Officeは、オフィス互換ソフトの分野で売上本数“12年連続No.1”を獲得している製品です*。Microsoft Officeで作られたファイルも、高い互換性をもって再現することができます。
もう1つの特長は、管理コンソール機能が付帯していることです。法人でITシステムを利用する際、特に重要となるのがセキュリティです。WPS Cloud Proの管理コンソール機能では、クラウド上に保存されたフォルダやファイルの操作履歴(ログ)を取得することができます。「誰が、いつ、どのファイルに、どのような操作を実行したのか」が把握できるので、万が一インシデントなどのトラブルが発生した場合でも、速やかに原因を究明でき、迅速かつ適切な対応が実行可能です。
3つ目の特長は、PDF編集機能を備えていることです。このPDF編集機能では、PDFファイルの閲覧はもちろん、PDF上の文字の修正や画像の差し替え、ページ構成の変更やファイルの暗号化など、高度な編集操作がおこなえます。
参考料金:300円 **
Webサイト:https://biz.wpscloud.jp/
* BCNランキングデータ:2010年4月~2022年3月(BCNランキングデータをもとにキングソフト株式会社が集計), KINGSOFT Office、WPS Officeでの実績
** 税抜/月額/1IDあたり
サブスク型②Microsoft 365
「Microsoft 365」は、マイクロソフト社が提供するクラウド型オフィスソフトです。オフィスソフトのパイオニア的存在である「Microsoft Office」のサブスク型製品であり、今回紹介するサブスク型のオフィスソフトでは抜群の知名度を誇ります。
Microsoft 365の強みは、利用者が多いことです。今回のコラムで紹介しているようにオフィスソフトにはさまざまな製品がありますが、Microsoft Officeを利用している人は他の製品と比較して数多くいます。利用者が多いため、ファイルの互換性で問題になることが少なく、スムーズなファイルのやり取りが可能です。
また、使えるアプリの種類が多いことも特長のひとつといえます。WordやPowerPointなど一般的なオフィスアプリに加えて、DTPソフトの「Publisher」やデータベース管理ソフトの「Access」などさまざまなビジネスアプリが使えます。Microsoft 365ひとつで幅広い業務に対応が可能です。
参考料金:750〜2,750円 *
Webサイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365
* 税抜/月額/1IDあたり
サブスク型③Google Workspace
「Google Workspace」は、Google社が提供するクラウド型オフィスソフトです。正確には、Google Workspaceは総合オフィススイートであり、オフィスソフトとしての機能は主に、文書作成ソフトの「Googleドキュメント」、表計算ソフトの「Googleスプレッドシート」、スライド作成ソフトの「Googleスライド」という3つのアプリによって構成されています。なお、利用にあたってはこれらを個別に購入するのではなく、Google Workspaceのプランにすべて内包される形でオフィスソフトが利用できます。つまり、Google Workspaceという製品の中に、オフィスソフトのアプリがあるということです。
Googleのオフィスソフトの特長は、ブラウザでの利用に特化している点が挙げられます。Googleの製品は基本的にインターネットの接続下で使用することを想定した作りになっており、利用環境のベースがブラウザです。先に挙げたWPS Cloud ProやMicrosoft 365はデスクトップアプリでも利用が可能ですが、Googleのオフィスソフトは基本的にブラウザから利用することを前提に作られており、インターネット上でのデータ連携に強みをもちます。リアルタイムにファイルの共同編集ができたり、シームレスにファイルの共有ができたりと、インターネットの活用によってファイルの共有性を高めている点が特長です。
参考料金:680〜2,040円 *
Webサイト:https://workspace.google.com/intl/ja/
* 税抜/月額/1IDあたり
サブスク型④OfficeSuite
「OfficeSuite」はMobiSystemsが提供するクラウド型オフィスソフトです。基本的なオフィスアプリの構成は他のオフィスソフトと同様で、文書作成ソフト、表計算ソフト、スライド作成ソフトの3種類が使えます。
これらに加えて、OfficeSuiteはPDF編集機能とメーラーが使える点が特長です。メーラーにはカレンダーの機能も含まれており、グループウェアとして使うことができます。
また、他社のクラウドストレージサービスと連携可能なこともポイントです。Dropbox・Box・OneDriveと連携することができ、OfficeSuiteで作成したファイルにアクセスすることができます。
参考料金:526〜922円 *
Webサイト:https://www.officesuite.com/jp
* 月額/1IDあたり
法人向けオフィスソフトおすすめ6選【買い切り型】
法人向けオフィスソフトの中で、買い切り型のおすすめ製品を6種類紹介します。
買い切り型①WPS Office 2
「WPS Office 2」はキングソフト株式会社が提供する買い切り型のオフィスソフトです。WPS Cloud Proのパートでも触れた「WPS Officeシリーズの最新版」ともいうべき製品で、Microsoft Officeと高い互換性をもっている点が特長です。
個人向けと法人向けで製品のラインナップが異なり、一般法人向けのラインナップでは「WPS Office 2 Proスマート」というプランが提供されています。また公共機関や教育機関向けにガバメント版とアカデミック版が販売されており、官公庁や学校で使うオフィスソフトとしても使用可能です(これらは年契約プランでの提供となっています)。
WPS Office 2は、2007年2月に正式リリースされたシリーズ前身の「KINGSOFT OFFICE」から数えると、提供開始から15年以上の歴史があります。国内での導入企業数は、4,000社以上。後ほど紹介するMicrosoft Officeと比較すると価格も安価であり、「実用性の高さが期待でき、かつ費用も抑えられる買い切り型のオフィスソフトを探している」という企業におすすめの製品となっています。
参考価格:11,880円(税込)
Webサイト:https://biz.kingsoft.jp/wps/
買い切り型②Microsoft Office
「Microsoft Office」は、マイクロソフト社が提供するオフィスソフトです。買い切り型の製品は「Office 2021」というように西暦による数字付けでシリーズ分けされていることが多く、一般法人向けにおいては「Office Home & Business 2021」という製品が買い切り型のおすすめプランとしてラインナップされています。
Microsoft Officeのメリットは、Microsoft 365と同様に利用者が多く、ファイルの互換性についてトラブルが起きにくいことです。世の中にあるオフィスドキュメントの多くがMicrosoft Officeで作られており、ファイルの再現時に問題が起きにくいことから安定してオフィスドキュメントの編集操作がおこなえます。
また、Microsoft Officeは各オフィスアプリの機能性が高いことも特長です。VBAが使えたり、ツールで使える機能が豊富だったりと、「Microsoft Officeだからできること」が多くあります。多機能であるがゆえに価格は高いですが、オフィスソフトの中でも汎用性が高く高機能なので、あらゆる用途で使えます。
参考価格:43,980円(税込)
Webサイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/get-started-with-office-2021
買い切り型③JUST OFFICE
「JUST OFFICE」は株式会社ジャストシステムが提供する買い切り型のオフィスソフトです。その中で法人向けには、「JUST OFFICE 5」という製品がオフィス総合ソフトとしてラインナップされています。
JUST OFFICE 5は、ワープロソフト「JUST Note 5」や表計算ソフト「JUST Calc 5」、プレゼンテーションソフト「JUST Focus 5」などの一般的なオフィスアプリの他に、日本語ワープロソフト「一太郎 Pro 5」や総合グラフィックソフト「花子 Pro 5」といった特徴的なアプリを搭載している点が特長です。これらに加えて日本語入力システム「ATOK Pro 5」も搭載されており、日本語を使ったビジネス文書の作成や編集に適したオフィスソフトとなっています。
また、官公庁や警察機関、医療機関向けのシリーズもラインナップされており、組織の種類に合わせて適するオフィスソフトが選べることもポイントです。
参考価格:ー
Webサイト:https://www.justsystems.com/jp/products/justoffice/
買い切り型④Polaris Office
「Polaris Office」は韓国の株式会社ポラリスオフィスが開発する買い切り型のオフィスソフトです。日本では株式会社ジャングルが販売をおこなっています。Polaris OfficeはMicrosoft Officeと互換性のあるオフィスソフトを搭載しており、WordやExcel、PowerPointで作られたオフィスファイルの閲覧や編集が可能です。
またPDF編集ツールを搭載していることも特長のひとつです。使えるアプリの種類は、「WORD(文書作成)」「SHEET(表計算)」「SLIDE(プレゼンテーション)」「PDF」の4種類と、業務で利用頻度の高いものに絞られた構成となっています。
アプリの種類が限定されている分、価格が抑えられており、法人ライセンスの「Aライセンス」というプランであれば、標準価格(税込)は3,938円です。今回ピックアップしているオフィスソフトの中でもリーズナブルな価格設定となっています。
参考価格:3,938円(税込)
Webサイト:https://www.junglejapan.com/polarisoffice/
買い切り型⑤LibreOffice
「LibreOffice」はオープンソースのオフィスソフトです。オープンソースとは、プログラムのソースコードが無償で解放されていることを意味します。オープンソースのソフトウェアでは、対象となるソフトウェアのコンピュータプログラムは著作権が放棄されているため、そのソースコードは誰でも自由に改変が可能であり、利用にあたって料金がかかることもありません。
つまり、LibreOfficeは無料で使えるオフィスソフトといえます。インターネット上からプログラムをダウンロードし、端末にインストールするだけで使い始めることができます。
LibreOfficeの特長は、文書作成ソフトや表計算ソフトといった基本的なオフィスアプリに加えて、数式エディター「Math」や図形描画ソフト「Draw」など、さまざまなアプリが使える点です。あわせて活用することで、幅広い業務に対応することができます。
LibreOfficeのようなオープンソースのソフトウェアは、無償で使えてカスタマイズも自由にできる点が強みですが、一方で、使いこなすためには、専門的なスキルが求められる点に注意が必要です。導入支援のサービスを提供するパートナー企業に初期設定や運用時のサポートを依頼するという手もありますが、場合によってはかえって割高になってしまうケースもあります。
参考価格:オープンソースのため無料
Webサイト:https://ja.libreoffice.org/
買い切り型⑥Thinkfree Office
「Thinkfree Office」は韓国のHancomが開発するオフィススイートです。日本ではソースネクスト株式会社が販売をおこなっています。オフィスソフトの基本的なアプリは一通り搭載しており、具体的には、表計算ソフト「Cell」、プレゼンテーションソフト「Show」、ワープロソフト「Word」の3種類が利用可能です。
互換性についてはMicrosoft Officeで作られたファイルの閲覧や編集に対応しており、ソフトの利用画面もMicrosoft Officeに似せて作られています。明確に法人向けとされているラインナップはありませんが、企業で利用する場合は「Thinkfree Office NEO 7 Premium」が好適です。
Microsoft Officeに収録されている和文フォント29書体が収録されており、ファイルの互換時にフォントの表示崩れが起こるリスクが少ないので、ビジネスシーンでも扱いやすい作りとなっています。
参考価格:6,490円(税込)
Webサイト:https://www.sourcenext.com/product/thinkfreeoffice-premium/
法人向けオフィスソフトのおすすめ種類は【サブスク型】
これまで紹介してきたように、オフィスソフトの種類は「サブスク型」と「買い切り型」の2種類にわかれますが、「これから購入する場合、どちらがいいのか?」と悩む方もいるのではないでしょうか。
一概にどちらがよいと決めることは難しいですが、今後のビジネスを円滑に進めていくことを考えると、サブスク型のほうがおすすめです。
その理由は、大きく分けて2つあります。
サブスク型がおすすめな理由①安全かつ新機能が使える
1つ目の理由は、サブスク型のほうがセキュリティ性が高く、さらに最新の機能が利用できることです。サブスク型はサービスの契約期間中、常に最新バージョンの製品が利用できます。
サービスの提供元は、製品を改良するためのアップデートを常におこなっています。具体的には、「新たに見つかった脆弱性の強化」や「新機能の追加」などです。サブスク型では、これらが反映された最新バージョンの製品が提供されます。
セキュリティが強化されているため安全にオフィスソフトを使える他、新機能が使えるので業務の効率化にも役立ちます。
特に新機能が使えることは大きな利点です。
例えば、あるオフィスファイルの作成者が新機能を使ってファイルを作成していた場合、その新機能に未対応のオフィスソフトだと、ファイルを正しく再現できない恐れがあります。
最新バージョンが使えるサブスク型であれば、新たに追加された新機能も利用することができるので、ファイル共有時のトラブルが少なくて済みます。
サブスク型がおすすめな理由②ファイルの共有性が高い
2つ目の理由は、ファイルの共有性が高いことです。サブスク型のオフィスソフトは、オンライン上でファイルを共有することができます。
この特性を活かした特徴的な機能が「共同編集」です。共同編集では、Excelなどのオフィスファイルをオンライン上で共有することができ、1つのファイルに複数のユーザーがアクセスして同時に編集作業をおこなえます。編集結果はオンライン上のデータに上書き保存され、常に最新のデータが関係者に共有されます。
チームで管理するファイルが1つで済むのでフォルダの整理が容易になる他、最新の状態で関係者に共有されることで、チームの連携効率を高めることにも効果が期待できます。
法人向けオフィスソフトなら月額300円で使える「WPS Cloud Pro」
本記事で紹介した法人向けクラウド型オフィスソフト「WPS Cloud Pro」は、一般的なオフィスドキュメントの作成や管理に必要なアプリを厳選して搭載したオフィスソフトです。
Microsoft Officeと高い互換性をもったオフィスアプリがご利用いただける他、PDF編集機能や、1ユーザーあたり100GBのクラウドストレージもお使いいただけます。
デスクトップアプリはもちろん、Webブラウザやモバイルアプリからでもご利用いただくことができ、端末や好みに合わせて利用環境を選択可能です。
価格は1ユーザーあたり月額300円(税抜)。100名でお使いいただいても、月額のオフィスソフトにかかる費用は3万円のみです。この価格で、クラウドストレージとPDF編集機能もご利用いただけます。
ご興味をおもちいただけた方は、ぜひお気軽にお問い合わせ、または無料トライアルをお申し込みください。製品資料も無料でダウンロードいただけます。