これからオフィスソフトを購入、もしくは買い替えを検討されている方の中には、「Microsoft 365」と「Office 2021」のどちらを買うべきか?について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
どちらもMicrosoft Office製品の1つですが、Office 2021のほうが2016や2019など過去のシリーズと関連性が深く、親しみやすい印象があります。
一方のMicrosoft 365は「Office 365」が名称変更されたものであり、比較的最近になって市場に浸透してきたサービスなので、馴染みがない方も多いのではないかと思います。
どちらも同じオフィスソフトですが、ビジネスモデルや利用できるアプリに違いがあり、どちらを選ぶべきなのか、迷う人は少なくありません。
今回のコラムでは迷われている方に向けて、「2023年となった今、これから買うならどちらがおすすめなのか?」を解説します。
Microsoft 365とOffice 2021の違いについて、それぞれのメリット・デメリットやかかるコスト、セキュリティなどを詳しく比較してみました。
はじめに結論からお伝えしておくと、これから購入するのであれば、サブスクリプション型で最新の機能を安全に使えるMicrosoft 365がおすすめです。
記事の各パートではその根拠について紹介しています。どちらを選ぶべきか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
※本ページに記載の内容は、2023年6月21日時点のものです
目次
Microsoft 365とOffice 2021の違い
まずはじめに、Microsoft 365とOffice 2021の違いについて説明します。
大きな違いはビジネスモデル
Microsoft 365とOffice 2021の大きな違いは、採用しているビジネスモデルが異なることです。
Microsoft 365では「サブスクリプション」というビジネスモデルを採用しています。サブスクリプションとは、ユーザーが定額料金を支払うことで一定期間サービスを利用できるビジネスモデルです。
サブスクリプションにおいて利用者は、そのサービスの「所有権」ではなく、一定の期間サービスを利用できる権利、つまり「利用権」を購入します。
Microsoft 365においては、オフィスソフトをはじめとする各アプリやマイクロソフト社のサポートを、一定期間利用できる権利を月額料金を支払って購入するということになります。
一方のOffice 2021は、「買い切り」のビジネスモデルが採用されたサービスです。買い切りとは、そのサービスの所有権を提供するビジネスモデルのことで、利用者はサービスを所有する権利を購入できます。
利用権ではなく所有権を購入するので、期間の制限なく永続的に所有したサービスを使用可能です。
サブスクリプションと買い切りは支払い方式が違う
サブスクリプションと買い切りではそれぞれ「支払い方式」が異なります。
サブスクリプションでは、契約期間の支払いサイクルに応じて料金を支払います。契約期間は月間や年間であることが多く、支払いのタイミングもそれに準ずるのが一般的です。
サービスの所有権を購入する買い切り型では、そのサービスを購入するタイミングで料金を支払います。サブスクリプションのように継続的に費用が発生することはなく、支払いは最初の一回のみです。
どちらのビジネスモデルが適しているか?という視点が重要
以上のようにMicrosoft 365とOffice 2021では、採用しているビジネスモデルが異なります。
それに伴い、購入するもの(所有権と利用権)や支払い方式にも差異があるので、それぞれを比較するときは、「サブスクリプションと買い切り、どちらのビジネスモデルのサービスが適しているのか?」という視点から両者を比べてみることが重要です。
利用できるアプリケーションの比較
Microsoft 365とOffice 2021はビジネスモデル以外にも、「利用できるアプリケーションの種類」にも違いがあり、こちらも重要な比較材料のひとつといえます。
利用できるアプリを一覧でまとめてみました。業務に必要なアプリを備えているか、確認してみてください。
アプリ | Microsoft 365 Business Standard | Office Home & Business 2021 |
---|---|---|
文書作成 | Word | Word |
表計算 | Excel | Excel |
スライド作成 | PowerPoint | PowerPoint |
コミュニケーション | Teams | ー |
メール | Outlook | Outlook |
メール / メールサーバー | Exchange | ー |
クラウドストレージ | OneDrive | ー |
メモ | OneNote | OneNote |
情報共有 | SharePoint | ー |
データベース管理 | Access | ー |
DTP | Publisher | ー |
※プランやライセンスの種類によってアプリの種類やストレージの容量は変わります
Microsoft 365のメリット・デメリット
ビジネスモデルや利用できるアプリの違いによって、両者にどのようなメリットとデメリットが生まれるのでしょうか? ここからはMicrosoft 365とOffice 2021、それぞれのメリットとデメリットを比べてみます。
まずはじめに、Microsoft 365のメリット・デメリットからみていきましょう。
メリット①常に最新バージョンが使える
Microsoft 365のメリットの1つ目は、常に最新バージョンのサービスが使えることです。最新バージョンのサービスでは、新しく追加された機能や改良された既存機能、最新のセキュリティなどが利用できます。これらを使用できることで、作業効率の向上や情報セキュリティの強化に高い効果が期待できます。
メリット②チームコラボレーションツールが使える
2つ目のメリットは、チームコラボレーションのツールが使える点です。Microsoft 365では、コミュニケーションツールの「Teams」や、クラウドストレージの「OneDirve」などが利用できます。
TeamsではチャットやWeb会議をおこなうことができ、OneDriveでは保存したドキュメントの共有や共同編集が可能です。
これらのチームコラボレーションツールが使えることで、業務上必要なコミュニケーションをMicrosoft 365の中で完結させることができます。ツールを横断する必要がなくなるため、チーム内のやり取りをスピーディかつシームレスにおこなえます。
デメリット①継続的に費用が発生する
Microsoft 365のデメリットは、継続的に費用が発生することです。サブスクリプション型のサービスなので、利用する限りはその期間に応じた料金を支払い続ける必要があります。
Office2021のメリット・デメリット
続いて、Office2021のメリットとデメリットを解説します。
メリット①購入後に追加費用がかからない
Office 2021のメリットの1つ目は、購入後に追加費用がかからないことです。買い切りのサービスなので、一度購入すれば追加料金なしで永続的に使い続けることができます。
メリット②インターネットが不要
Office 2021のメリットの2つ目は、利用にあたってインターネットが不要である点です。Microsoft 365はサブスクリプション型のサービスであり、基本的にはクラウドを経由してサービスを利用するため、一部の機能やアプリにおいてはネット接続が必須となっています。
その点、Office 2021は買い切り版かつインストール型のサービスなので、インターネットがない環境でもほとんどの機能やアプリが利用可能です。
デメリット①購入後に追加された機能は使えない
Office 2021のデメリットの1つ目は、購入後に追加された機能が使えない点です。購入段階の状態からバージョンがアップデートされないため、新しく追加された機能や改良された既存機能が利用できません。
デメリット②サポート期限がある
Office 2021のデメリットの2つ目は、サポート期限があることです。Office 2021のサポートは、2026年10月13日までとなっています。
サポートが終了したオフィスソフトは、起動しなくなるわけではなく、ソフト自体は問題なく使えますが、脆弱性においてセキュリティリスクを抱えるため、ビジネスでの利用継続は難しいです。
そのためOffice 2021が使えるのは、2026年10月13日までといえます。
その点、サブスクリプション型で常に最新バージョンが利用できるMicrosoft 365は、契約期間中は最新のサポートが利用可能です。サポート期限は実質無制限といえ、サービスの利用期限もないに等しいといえます。
Microsoft 365とOffice2021のコスト比較
Microsoft 365とOffice2021は、それぞれどれくらいのコストがかかるのでしょうか。両者は費用が発生するタイミングや期間が異なるため、コストを比較する場合は対象期間を定める必要があります。
ここでは2023年7月から、Office 2021のサポート期限である2026年10月までの期間で、それぞれのコストを比較してみることにします。
比較プラン・製品
・Microsoft 365 Business Standard
・Office Home & Business 2021
26ヶ月以上使うならOffice2021のほうがお得
図が示す通り、2025年7月までは、Microsoft 365の累積コストがOffice 2021の購入代金を下回っています。
しかし26ヶ月目以降は、Microsoft 365の累積コストがOffice 2021を上回り続けることがわかります。したがって、26ヶ月以上使う場合は長く使うほどOffice 2021のほうがコスト的にお得であるといえます。
反対に、「26ヶ月以上使い続ける可能性が低い」「途中でMicrosoft 365に乗り換える可能性が高い」という場合は、オフィスソフトにかかるコストにOffice 2021の購入代金が加算されるため、その分が余分な費用となる恐れがあり、Microsoft 365のほうがコストメリットが大きくなる可能性があります。
サポート期限が2026年10月で切れることに注意
Office 2021は、長く使えば使うほどお得です。しかし、買い切り型のためサポート期限が存在します。Office 2021は2026年10月でサポートが終了するため、事実上、実際に使える期間はそこまでです。
Microsoft 365の累積コストが逆転する2025年8月から数えると、15ヶ月となります。それ以降は新しいオフィスソフトを準備する必要があるため、Office 2021の「お得の有効期間」は15ヶ月間となり、金額に表すと22,418円です。
つまり、Microsoft 365を使っていた場合、22,418円分、多く支払っていたことになります。Office 2021であれば、その分のコストを抑えられていたといえます。
機能やアプリケーションの違いにも着目
コストの比較では、利用できる機能や搭載しているアプリケーションの違いにも着目できるといいでしょう。
傾向としてMicrosoft 365のほうが多機能かつクラウドを活用できるので、利便性は高いです。
Microsoft 365でその他のITシステムを賄えるのであれば、社内のITシステム全体の最適化という視点からみると、コスト的にOffice 2021よりもこちらのほうがお得という可能性もあります。
特にクラウドストレージのOneDriveはビジネスに必須である「ファイルサーバー」の機能をもつため、貢献度の高いアプリといえます。
実際、およそ5割の企業がクラウドストレージを活用しており、今後のビジネスにおいてスタンダードなソリューションとなることが予測されます。
それぞれに一長一短があるが、これから検討するならサブスク版のMicrosoft 365がおすすめ
Microsoft 365とOffice 2021は「ビジネスモデル」や「利用できる機能・アプリ」などに違いがあります。また、それぞれにメリットとデメリットがあり、かかるコストも異なります。
それぞれに一長一短があるため、一概にどちらが絶対的によいということはいえません。
ただ、これからオフィスソフトの買い替えを検討していくのであれば、サブスクリプション版のMicrosoft 365がおすすめです。
理由は、中長期的な視点で見たときにコストの面でメリットが大きくなる可能性が高いからです。
チームコラボレーションツールという価値
Office 2021とのコスト比較では、2025年8月以降は累積コストが逆転することがわかりました。しかし、Microsoft 365は利用できるアプリの種類が多いので、単純なコスト比較では正確に費用対効果を見積もれない可能性があります。
特にチームコラボレーション系のツールが使える点は、今後のビジネス環境を整備するうえで大きなアドバンテージとなる可能性が高いです。
その意味では、オールインワンでチームコラボレーションまで対応できるMicrosoft 365のほうが、別製品を契約する必要がない分、結果的にコストを抑えられる見込みがあります。
検討期間が長くなるほどMicrosoft 365がお得
また、Office 2021の「お得の有効期間」が15ヶ月間と限られていることもポイントです。検討期間が長くなるほど、お得の有効期間が短くなります。
これから検討を開始する場合は、実際の導入までに数ヶ月かかることを踏まえると、15ヶ月がその分目減りしていくため、Microsoft 365のコスト面のデメリットが小さくなります。
月額300円で使えるクラウド型オフィスソフト「WPS Cloud Pro」
WPS Cloud Proは、月額300円(税抜)で使えるクラウド型のオフィスソフトです。Microsoft 365と同様に、オフィスソフトとクラウドストレージを使うことができます。
オフィスソフトはMicrosoft Officeと高い互換性を有しており、WordやExcelで作られたファイルも問題なく扱うことが可能です。ファイルの閲覧はもちろん、編集もおこなうことができます。
さらに、WPS Cloud Proは「PDF編集機能」も搭載。PDFファイルの閲覧や編集、加工やオフィスファイルとの相互変換といった高度な編集作業がおこなえます。
オフィスソフト、クラウドストレージ、PDF編集機能というビジネス上、重要度の高い3種類のアプリが使えて、利用料金は1ユーザーあたり月額300円(税抜)。100名でお使いいただいても月額の料金は3万円と、既存の製品に比べてオフィスソフトにかかるコストを低く抑えることができます。
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