テレワークやペーパーレス化など、企業の間で新たな働き方が進む中、注目されているのが「ワークフローの電子化」です。
ワークフローとは「業務の一連の流れ」を指す言葉であり、ワークフローの電子化とは、その流れの中で必要な作業や手続きを電子化することを意味します。
ワークフローを電子化する方法は多岐に渡りますが、その中でも手軽に実践できて効果を得やすいのが、「PDF編集ソフトの署名機能」を活用した方法です。
今回のコラムでは、PDF編集ソフトを活用してワークフローを電子化する方法についてご紹介します。
目次
ワークフローの電子化とは
ワークフローの電子化とは、業務を進めるにあたって必要とされる「作業」や「手続き(上長から承認を得ること等)」を、電子的に行えるようにすることを指します。
例えば、経費精算書の処理をワークフローに落とし込むと、以下のようなものになります。
ワークフローの電子化とは、この一連の流れを電子化することを意味します。
具体的には、図2で示すところの「書類作成」や「確認・承認」の作業、各作業の繋ぎ目となる手続き(上長に承認印をもらいにいく、専用のボックスに書類を投函する等)を、電子上で行えるようにすることです。
電子化の方法はさまざまあり、専用システムを使う方法もあれば、メールにファイル添付して手続きを電子化するといった方法もあります。
さまざまな方法から自社の課題に即したものを採用し、業務の流れを電子化すること。それがワークフローの電子化です。
ワークフローの電子化が進む背景
ワークフローの電子化は、ここ数年で徐々にその概念が普及してきました。
その背景にはどのような理由があるのでしょうか。
さまざまな要因が考えられますが、特に有力なのは「新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークの実施率が高まったこと」です。
従前より、働き方改革の推進によってテレワークという働き方自体は世間に浸透しつつありましたが、新型コロナの感染拡大によって導入する企業が一気に増加しました。
出典:第5回 新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査 令和
内閣府の調査によるとテレワークの実施率は、コロナ直前の2019年12月は17.8%でしたが、感染拡大が深刻化した2020年5月には48.4%まで増加、2020年12月に少し下がったものの、それ以降は50%以上の高い水準を維持しています。
このことから、新型コロナの感染拡大がテレワークの普及に大きな影響を与えたことは間違いがないといえるでしょう。
では、テレワークとワークフローの電子化にはどのような因果関係があるのでしょうか。
ワークフローの電子化によってテレワークの承認手続きを簡便化
テレワークの場合、対面で書類のやり取りが行う機会が限定されてしまうため、印鑑を必要とする手続きが滞りがちです。
例えば、経費精算書のワークフロー例で見た「確認・承認」の作業をスムーズに行うことが難しくなります。
「ワークフローの電子化」は、この課題の解決に高い効果が見込めます。
あらゆる作業や手続きを電子化することができれば、対面である必要がなくなり、テレワークであってもスムーズに承認や決済を進行できるからです。
テレワーク実施率と電子印鑑のトレンド
事実「ワークフローの電子化」のトレンドは、テレワークの実施率と似たような傾向を示しています。
ワークフローの電子化方法としてポピュラーな「電子印鑑」の活用について、トレンド調査ツールの「Googleトレンド」を使って、過去10年間のキーワードのトレンドを調べてみると、以下のような推移であることがわかりました。
図4のグラフが示す通り、電子印鑑のトレンドは、新型コロナの感染拡大とともにポイントが高まり、以降高い水準をキープしていることがわかります。
このように、ワークフローの電子化の代表的な手段である電子印鑑が、トレンド上、「テレワークの実施率と似たような推移の傾向を示している」ということは、ワークフローの電子化が、新型コロナの感染拡大によって普及したテレワークの影響を大きく受けていることということも示唆しているといえます。
ワークフローの電子化はPDF編集ソフトで簡単にできる
テレワークの普及とともにワークフローの電子化が進んでいることは前に見た通りです。
では実際にワークフローを電子化するためには、どうすればよいのでしょうか。
第一候補として考えられるのは、電子印鑑サービスや稟議・会計システムなどの専用システムを活用することです。
業務の内容に合わせてソリューションを選択すれば、あらゆるワークフローを電子化することができ、しかも専用システムとして構築されているので、利便性の高さはもちろん、業務効率化に対しても高い効果が期待できます。
しかし一方で、それなりにコストがかかることが、活用の懸念点として挙げられます。
また専用システムは設計や運用を組むまでのハードルが高いので、実際の業務に落とし込むまでに負担がかかりやすいという点も、懸念のひとつです。
例えば「従業員数がそれほど多くなく、稟議や決済の場面が限られている」という場合には、専用システムは少々オーバースペックの可能性があり、導入や運用の労苦を踏まえると、あまりよい選択肢とは言いづらいかもしれません。
PDF編集ソフトで手軽に実現
そこでおすすめしたいのが、「PDF編集ソフト」を活用した方法です。
PDF編集ソフトは、文字通りPDFファイルを編集するために作られたオフィスアプリケーションです。そのため、ワークフローの電子化に特化したソリューションではありません。
しかし、PDF編集ソフトに搭載されている「署名機能」を活用すれば、見積書や経費精算書の承認・申請手続きを簡単に電子化することができるのです(参照:図5)。
あくまでもオフィスアプリであるため、ワークフローの電子化にあたって専用システムとして追加コストを計上する必要はありません。
また使い勝手についても、一般的な文書作成ソフトとほとんど変わらないので、導入や運用にそれほど大きな負担はかからないでしょう。
電子化する前のやり方を大きく変えることなく、重要なポイントだけ(テレワークのときの稟議承認だけを電子化するなど)を電子化することができます。
具体的な活用イメージ(WPS Cloud Proで解説)
PDF編集ソフトを活用したワークフローの電子化イメージを紹介します。
紹介用のデモには、月額300円(税抜)から使えるクラウド型オフィス「WPS Cloud Pro(ダブルピーエス・クラウド・プロ)」を使用します。
WPS Cloud Proはクラウドストレージと互換性オフィスソフトが一体となったITツールですが、PDF編集ソフトも標準搭載しています。
クラウドストレージ内のPDFファイルを直接編集でき、しかもリンクで簡単に共有できるので、ワークフローの電子化を手軽に実現できます。
署名機能でカンタン承認!
WPS Cloud Proでは、図6のようなイメージで簡単に署名を押すことができます。
署名の登録方法は、
- 画像登録
- 文字入力
- 手書き入力
の3つから選択できます。
今回は画像登録の方法で署名を登録しました。「承認」というハンコ風の画像を作成し、署名として登録しています。
このように、簡単にPDFファイルに押印を押すことができるので、手間なく稟議承認のワークフローを電子化できます。
バージョン履歴が残るから「もしものとき」も安心
ワークフローの電子化にあたって、懸念となりやすいのが「何かがあったとき、ファイルを復元できるのかどうか」です。
WPS Cloud Proでは、ファイルの編集履歴を「バージョン履歴」として記録しています。バージョン履歴に残された簡単な操作でファイルを復元できるので、書類の不備などトラブルが発生したときも安心です。
ワークフローの電子化はPDF編集ソフトで簡単に実践できる
今回のコラムでは、
- ワークフローの電子化とは何か
- PDF編集ソフトで簡単にワークフローを電子化する方法
について解説しました。
ワークフローの電子化ときくと、難易度が高いように感じる方も多いかもしれません。
たしかに専用システムを使う場合は、できることが多い代わりに設計や運用の難易度が高いので、人によってはハードルの高さを感じてしまうこともあるでしょう。
その点、PDF編集ソフトを活用した方法であれば、日常で使用するオフィスソフトの延長線のような感覚でワークフローを電子化できます。
手軽に実践できるので、「スモールスタートでワークフローの電子化を進めていきたい」という方におすすめです。
PDF編集ソフトなら「WPS Cloud Pro」
WPS Cloud Proは月額300円から使える高機能クラウドストレージです。1ユーザーあたり100GBのストレージを使えて、さらに互換性オフィスソフトとPDF編集ソフトもご利用いただけます。WPS Cloud ProのPDF編集ソフトを活用して、ワークフローの電子化を進めてみませんか?