今回のコラムでは、WPS Cloud Proの【やってみたシリーズ 第1弾】として、「Spreadsheetsを使ってシフト管理表を作ってみた」という内容のコラムをお届けします。

スプレッドシートでシフト管理

店舗運営において欠かせない業務のひとつである「シフト管理」。

その方法にはさまざまな種類がありますが、本コラムで提案するのは、表計算ソフトの「Spreadsheets」を活用したシフト管理です。

まず前提として、以下のような条件の店舗を想定し、この店舗のシフト管理に役立つSpreadsheetsファイルの作成方法について、キャプチャ画像を交えながら、使用する関数や機能を解説していきます。

最終的な仕上がりイメージ

【想定するお店の条件】

  • 店舗種類:ファミリーレストラン
  • 営業時間:11:00〜23:00
  • 社員数:1名
  • 従業員数:12名

【シフトの種類】

  • 早番:10:00〜14:00
  • 中番:14:00〜19:00
  • 遅番:18:00〜23:00
  • 通しA:10:00〜19:00
  • 通しB:14:00〜23:00

ファイルの新規作成

WPS Cloud Proのデスクトップアプリを立ち上げ、画面左端のメニューバーから「新規作成」をクリックします。

デフォルトの設定では新規作成を選択すると「文書作成ソフト」のタブが開きます。今回は「表計算ソフト」を使用するので、画面上部のタブから「表計算」をクリックしてアプリを切り替えます。

「表計算ソフト」に関するテンプレートが一覧で表示されます。今回はテンプレートを使わずにプレーンな状態から作成していくので、「新規作成」をクリックします。

新しい表計算ソフト(Spreadsheets)のファイルが立ち上がります。

ファイルの保存

安定して作業を行うために、まずはじめにファイル名を設定し、保存を行います。

※筆者はMacを使用しているため上記のような画面からファイルを選択可能ですが、Windowsなどその他の環境では操作が異なる場合があります。

ローカルドキュメントとして保存しておきます。このとき、クラウドへ保存することも可能です。お好きな方を選んでいただいて問題ありません。

年月と従業員の名前を入力

保存が完了したら、早速編集を施していきます。A列に「年月」と「従業員の名前」を入力します。

「従業員の名前」がセル幅をはみ出してしまう場合は、列を選択し、列の境目をクリックしながら右にスライドすることで、列のセル幅を広げることができます。

日付と曜日を入力

次に、B2とB3に「日付」と「曜日」を入力し、C2に具体的な日付を入力します。この場合、2022年4月分のシフト管理表なので、「2022年4月1日」と入力します。

「日付の長さを短くしたい」という場合は、「メニューバー」の「ホーム」から表示形式を変更可能です。

次は、日付のコピーです。入力した日付のセルを選択し、セルの右下部分をクリックして右に伸ばすと、日付順にセルがコピーされます。

TEXT関数

日付の入力が完了したら、曜日を入力します。

曜日の入力には、TEXT関数を使用します。

TEXT関数とは、セルの数値を「設定した書式(表示形式)の文字列」に変換する関数です。

この場合、日付に応じた曜日を入力したいので、B2のセルに以下の数式を記述します。

=TEXT(C1,”aaa”)

入力してエンターキーを押すと、このように変換されます。

あとは日付と同様に、セルの右下部分をクリック&スライドでコピーします。

セル幅の一括調整

注意点として、このときにセル幅が均一でなく、見えにくくなっている場合があります。

直すためには、該当するセルの列全体を選択し右クリックから、「幅」の項目を設定することで解消できます。

今回は日付の幅に合わせて、「10文字」に設定しました。

シフトの種類を入力

続いて、日付ごとのシフトの種類を入力します。

今回の条件では、シフトの種類が以下となっているため、該当するものを入力していきます。

早番10:00〜14:00
中番14:00〜19:00
遅番18:00〜23:00
通しA10:00〜19:00
通しB14:00〜23:00

ざっと入力したものがこちらです。

入力内容をもとにデータ集計

ここからは、シフト管理表を活用しやすくするために、これらの入力内容をもとに「データ集計」の作業を行います。

COUNTIF関数

まずはじめに「COUNTIF関数」を用いて、「その日の人員数」を「シフトの種類ごと」に把握できるようにします。

COUNTIF関数とは、指定した範囲内で検索条件に合うセルの個数を数える関数です。

=COUNTIF(範囲,検索条件)

従業員の名前一覧の下に「人員数」と入力し、その下に「シフトの種類」を入力します。

次に、日付とシフトの種類が交差するセル(C17)に、COUNTIF関数を以下の数式で入力します。

=COUNTIF(C4:C15,A17)

「『C4:C15の範囲』で『A17=早番』に合うセルの個数」が答えとして返ってきます。

絶対参照

次は、他のセルにも同じ関数を反映させます。日付や曜日と同じ要領でコピーすることが可能ですが、このままの状態で行うと参照する範囲も同時に移動され、データにずれが生じてしまいます。

そこで、コピーをしても参照する範囲がずれないように、「絶対参照」を付与します。

絶対参照とは関数における参照方式のひとつで、セルをコピーするときの参照点を固定するために用います。

「$」の記号を付与することで、絶対参照は設定可能です。

行と列にそれぞれ絶対参照を付与することも可能であり、この設定を活用することで、行と列の参照点を別個に固定することができます。

  • 行の参照点を固定したい→数字の前に$を入力
  • 列の参照点を固定したい→アルファベットに$を入力
  • 行と列の参照点をまとめて固定したい→数字とアルファベットの前に$を入力

今回は、

  • 範囲:行の絶対参照=数字の前に$
  • 検索条件:列の絶対参照=アルファベットの前に$

と入力します。

入力が完了したら、日付や曜日と同じ要領で下にコピーし、下へのコピーが完了したら、次は横軸へのコピーを行います。

これで、「その日の人員数」が「シフトの種類ごと」に算出され、人手の充足具合が数値として可視化されるようになりました。

各従業員のシフト日数を算出

続いて、「各従業員のシフト日数」を算出します。

「それぞれがどれくらいシフトに入っているのか?」を可視化します。

まず準備として、B3のセルに「勤務日数」と入力します。

COUNTIFS関数

続いて、すぐ下のB4のセルに勤務日数をカウントするための関数として、COUNTIFS関数を入力します。

COUNTIFS関数とは、指定した範囲内で検索条件に合うセルの個数を数える関数であり、COUNTIF関数との違いは、「複数の検索条件」を指定できることです。

今回は「休み」と入力されているセルは対象外となるため、その指示を数式に含める必要があります。

具体的には「シフトの種類のどれかに該当すれば1個として数える」という数式を作る必要があり、この場合はCOUNTIFS関数の「OR条件」を活用します。

OR条件とは、「または」という意味の数式です。

つまり、「早番、または中番、または遅番〜〜」といったように、検索条件を「または」でつなぐことができます。

OR条件は、COUNTIFS関数を「+」で繋ぐことによって指定可能です。

今回の勤務日数の算出における具体的な数式は以下の通りです。

=COUNTIFS(C4:AF4,A$17)+COUNTIFS(C4:AF4,A$18)+COUNTIFS(C4:AF4,A$19)+COUNTIFS(C4:AF4,A$20)+COUNTIFS(C4:AF4,A$21)

※コピーしたときに行がずれないよう、検索条件の数字の前に絶対参照($)を付与しておきます

実際に入力すると、このような結果が返されます。

「休み」のセルが検索条件に含まれていないので、それ以外の「早番」や「通しA」といったセルの個数が数えられています。

以上の手順で、Spreadsheetsを使ったシフト管理表の作成はひとまず完了です。

作成したシフト管理表を「より見やすく、使いやすく」する

ここからは、作成したシフト管理表を「より見やすく、使いやすく」するための方法を解説していきます。

主に、「セルやフォントの色付け」や「フォントサイズの変更」を行い、視覚的にわかりやすいシフト管理表に仕上げていきます。

罫線の挿入

まず、各要素の区分けを明確にするために、罫線を挿入します。

「メニューバー」の「ホーム」から、該当する箇所に罫線を入れていきます。

これで各要素の区分けがはっきりとわかるようになり、領域の見分けがつきやすくなりました。

文字の大きさや太さを調整

続いて、文字の「大きさ」や「太さ」を調整します。これらは罫線と同様に「メニューバー」の「ホーム」から編集可能です。

ファイルのタイトルでもある「年月」は目立たせたいので、他よりも少し大きく設定し、太字にします。

各項目の名称である「日付」や「曜日」、「名前」や「勤務日数」も項目として目立たせたいので、太字にします。

これで目立たせたい文字が目立つようになりました。

テキストの中央揃え

続いてC列以降を対象に、セル内のテキストの位置を「中央揃え」にします。

テキストが整列し、見やすくなりました。

セルの色付け:条件付き書式の設定

続いて、曜日の「土日」を判別しやすくするために、「セルの色付け」を行います。

今回のセルの色付けでは、「ホーム」の「条件付き書式の設定」という機能を活用します。

「条件付き書式の設定」では、条件に合ったセルに任意の書式を設定することが可能です。

つまり、「土」と入力されているセルは青色に、「日」と入力されているセルは赤色にするといったことができます。

曜日のセルを一括選択し、「ホーム」から「条件付き書式の設定」をクリック。「セルの強調表示ルール」から「文字列」を選択します。

ここで「文字列の指定」と「書式の設定」が行えます。書式の詳しい設定は、文字列のウィンドウの右側にあるプルダウンメニューから「ユーザー設定の書式…」を選択するとできるようになります。

今回は、「土」という文字列の条件に合うセルは「薄い青」に塗りつぶし、「日」という文字列にあるセルは「薄いオレンジ」に塗りつぶす、という条件付き書式を設定します。

「OK」を押すと書式が反映されます。

これで土日がわかりやすくなりました。

好みで細かい部分を調整

あとは、好みで細かい部分を調整していきます。

フォントの種類を変更したり、領域ごとに色を変えたり、文字列の上下揃えを変えたりなど、さまざまな調整が可能です。

筆者は、「フォントをNoto Sans Gothicに変更」、「人員数のエリアを薄緑色に着色」、「日付の文字列をさらに短縮」の3つを施して、自分好みのシフト管理表にデザインを変更してみました。

WPS Cloud Proではさまざまなフォントを使用することができます。中でもNoto Sans系は視認性と可読性に優れたフォントで汎用性が高く、筆者も愛用しておりおすすめです。

また、日付の文字列は「ホーム」の「日付」から「その他の表示形式」をクリックすることで編集可能です。より詳細な表示形式を選ぶことができます。

完成

以上で、Spreadsheetsを使ったシフト管理表の作成は完了です。完成したものがこちらになります。

印刷方法

印刷については、メニューバーの印刷アイコンから設定が行えます。各種設定は環境に準拠する形で行っていただければ問題ありません。

ポイントがあるとすれば、「方向」を「横」にし、「以下に合わせる」にチェックを入れ、「シート全体を1ページに設定」を選択することです。

この設定を行うことで、横向きのシフト表が1枚の用紙に収まるように印刷されます。

WPS Cloud Proでシフト管理をもっと楽に

今回のコラムでは、WPS Cloud Proの表計算ソフト「Spreadsheets」を使ったシフト管理表の作成方法を解説しました。

調整が難しいシフト管理の業務も表計算ソフトを使うことで、「従業員の勤務日数」や「その日の人手の数」といったさまざまな情報を数値として可視化することが可能です。

「頭の中」や「紙の上」で計算するよりも調整作業が捗りやすくなります。

「シフト管理の業務を簡便化したい!」という方は、ぜひWPS Cloud ProのSpreadsheetsを使ったシフト管理表の作成をお試しください。