いまやあらゆる仕事に欠かせないソリューションである“オフィスソフト”。文書作成や表計算、スライド作成といった個々の業務用アプリケーションをひとまとめにしたITソリューションであり、代表的なものでいえば「Microsoft 365(旧『Office 365』)」が挙げられます。

多くの企業が利用しているオフィスソフトですが、中にはこれから導入を検討している企業もあるかと思います。

また、オフィスソフトの製品によってはサポートの終了などによって買い替えを余儀なくされることもあり、その場合には同サービス内の別製品を契約し直すか他にオフィスソフトを探さなくてはならず、そういった事情からオフィスソフトのリプレイスを検討されている企業もあるでしょう。

今回の記事では、上記のようにさまざまな経緯からオフィスソフトの新規導入もしくはリプレイスを検討されている方に向けて「オフィスソフトの選び方」を解説します。オフィスソフト製品を比較検討する際に着目しておきたいポイントを5つにまとめました。自分に合ったオフィスソフトを探しているという方はぜひ参考にしてください。

①ブラウザベースか、デスクトップアプリか

まず1つ目のポイントは、利用する環境がブラウザベースかデスクトップアプリかという点です。

前者のブラウザベースは文字通りブラウザを使用してオフィスアプリを使います。端末ではなくブラウザをベースに動作するので、端末のOS環境に利用可否を左右されないことが特徴です。またデータはクラウドに保存されるため、端末に何か不具合が起きたとしてもデータの保存環境に影響を及ぼしにくく、データを守りやすいという点もブラウザベースのポイントといえます。

ただし、端末がブラウザに接続している必要があるので、インターネット環境が必須である点に注意が必要です。

一方後者のデスクトップアプリは、利用端末にアプリをインストールしてオフィスアプリを使用します。インターネット環境に依存することなくオフィスアプリを使える点がメリットです。

デメリットは、端末のOS環境に利用を左右されてしまう点です。「OSのバージョンが古い」「インストールするソフトが端末のOSに対応していない(Windowsでしか使えないなど)」などソフトの種類によっては端末のOSに適合せず、利用が難しい場合があります。デスクトップアプリでオフィスソフトを利用したい場合は必ず対応しているOSとバージョンを確認しましょう。

②十分な機能を搭載しているか

2つ目は、機能面の確認です。

ここでいう機能とは「オフィスソフトが搭載しているアプリケーションの種類やそれぞれの機能性」を意味します。冒頭でも説明した通りオフィスソフトは文書作成や表計算、PDF編集など複数の業務用アプリの集合によって形成されているわけですが、サービスごとに“搭載しているアプリの種類”や“各アプリの機能性”は異なります。

たとえばオフィスソフトの代表格であるMicrosoft 365には「文書作成の“Word”」「表計算の“Excel”」「スライド作成の“PowerPoint”」といったアプリが搭載されていますが、「PDF編集」のアプリはありません。このような具合でオフィスソフトによって搭載しているアプリは異なり、さらにいえば契約するプランの内容によってもアプリの充実度は変化します。

また、各アプリの機能性も同様です。

同じ機能名称であってもサービスごとに“できること”は微妙に異なり、例えばMicrosoft 365のExcelで実現できることが他の表計算ソフトでも同様に実現できるとは限りません。使用できる色やフォントの種類が違ったり、使える関数や動作するマクロの種類が異なったりなど、アプリの機能性はサービスごとに差異が存在します。

上記の理由からオフィスソフトを選ぶ際には、「実現したいこと」に合わせて搭載しているアプリの種類や機能性を確認しておくことが重要です。機能の詳細を確認せずに導入してしまうと、「使えると思っていた機能が使えず、業務に利用できない」などのトラブルが起きる恐れがあります。

やりたいことを実現できるかどうか判別が難しい場合は、サービスによってはアプリのカスタマイズを請け負っている場合もあるので、提供元に要望と懸念を伝えて実現性を確認しておくのがおすすめです。

たとえば「自社の販売管理システムと表計算ソフトを連携させ、自動で帳票を作れるようにしたい」といった要望も、カスタマイズサービスを提供しているオフィスソフトであれば叶えられる可能性があります。その辺りも考慮に入れつつ、サービスを比較検討できるとよいでしょう。

③Microsoft製品との互換性に問題はないか

3つ目は、Microsoft製品との互換性に関してです。

オフィスソフトはマイクロソフト社に限らず国内外のさまざまな企業が製品を販売していますが、やはり市場シェアの多くを占めているのはMicrosoft製品です。したがって取引先企業やクライアントとファイルのやり取りを行うとき、相手がそのファイル作成にMicrosoft製品を利用している可能性は高いでしょう。

データのやり取りを円滑に行うためにも、オフィスソフトを比較検討する際はMicrosoft製品を基準として考え互換性に問題がないかどうかを確認しておく必要があります。

基本的にオフィスソフトはMicrosoft製品と互換性があることを前提に設計されていますがどこまで正確な互換性を有しているのかはサービスによるので、注意が必要です。

互換性が低いオフィスソフトの場合「レイアウトが崩れる」「文字化けを起こす」「関数が動作しない」といったトラブルが生じる恐れがあります。

レイアウトやフォントがズレる程度の問題であれば業務に与える影響は比較的小さいですが、たとえば表計算ソフトの関数が動作せず正確なデータが共有できないとなると、関係者の間に“致命的な認識のズレ”を生み出すリスクがあります。このような場合には、該当のオフィスソフトを業務利用することは難しいといえるでしょう。

以上の理由から互換性が業務に与える影響が大きいと予測される場合には、導入前に綿密な検証を行うことが必要です。ユースケースを明確にし、そのオフィスソフトの互換性が業務の運用基準を満たせるかどうかを確認しておきましょう。

④「管理機能」は充実しているか

4つ目のポイントは、管理機能が充実しているかどうかという点です。

管理機能とは、管理者が使用する「オフィスソフト全体の設定に関する機能」を意味します。具体的な例をひとつ挙げると「ライセンス管理」も管理機能の一部に含まれるものです。インストール型のオフィスソフトの場合、紐づけている端末を一台ごとに把握し管理する必要があります。

買い替えなどで利用端末を変更する場合はライセンスの移行手続きを行う必要がある他、バージョン変更があればそれにも対応しなくてはならず、ライセンスの数が増えるほど(オフィスソフトを使う従業員の数が多いほど)掛け算的に管理工数が膨らみ、最終的には管理を担う部署の業務リソースを圧迫する恐れがあります。

このような場合に、たとえば「ライセンス管理を効率よく行える管理コンソール機能」が付帯しているオフィスソフトであれば、ライセンス管理の工数を大幅に削減することが可能です。

また、管理機能はセキュリティの維持にも貢献する場合があります。

サービスによりけりであることが前提ですが、強力な管理機能を有しているオフィスソフトの場合、システムの管理画面から管理者が「IPアドレスによるアクセス制限」や「操作ログの抽出」、「ファイルやフォルダの閲覧制限」といったセキュリティに関する設定を行うことが可能です。

管理者がこれらの設定を行えることでインシデントの発生リスクを抑えることができ、セキュリティの強化に効果が期待できます。

このように管理機能はシステムの管理工数削減やセキュリティの強化に寄与するものです。法人としてオフィスソフトを使用する場合、管理機能の充実度は業務に与える影響が大きいので、できる限り機能が充実した製品を選択できるとよいでしょう。

⑤価格は見合っているか

最後のポイントは、価格が見合っているかどうかです。

オフィスソフトの価格はサービスや契約するプランごとに大きく異なり、数千円で購入できるものから数万円のものまで実にさまざまです。さらにいえば「買い切りか・サブスクリプションか(月額で費用を払う料金形態のこと)」といった契約形態によっても必要なコストは変化します。

どのサービスの・どの契約プランが自分に合っているのか、これまでに挙げた4つのポイントを参照しながら最も価格と機能のバランスが取れているものを選びましょう。

まとめ

いかがでしょうか。今回は「オフィスソフトの選び方」について紹介しました。

オフィスソフトはサービスによって機能やコスト、Microsoft製品との互換性が異なるので、それぞれを比較しながら自社の運用に適したものを選ぶことが肝要です。ぜひ本稿を参考に自分に合ったオフィスソフトを見つけてください。

また、法人向けオフィスソフトをお探しの企業様には本サイトの取り扱い製品であるクラウド型オフィスソフト「WPS Cloud Pro」がおすすめです。

WPS Cloud Proはクラウドストレージとオフィスソフトが組み合わさったITソリューションであり「文書作成」や「表計算」の機能を有したオフィスアプリの使用はもちろん、クラウドストレージの活用によってインターネットの環境さえあれば“いつでも・どこからでも”ファイルの編集や共有が行えます。

さらにMicrosoft製品との互換性も高く、保存時の拡張子には「.docx」「.pptx」「.xlsx」が標準設定されておりMicrosoft Office形式のファイルの閲覧や編集が可能です。

その他、PDFの閲覧・編集ができる「PDF編集機能」や各種セキュリティの設定・ストレージ容量の分配などが行える「組織管理コンソール」など法人向けオフィスソフトとしてさまざまな特徴を備えています。加えて、1IDあたり300円から利用できるコストパフォーマンスの良さも魅力です。

「会社で使うオフィスソフトを探している」という企業様は、ぜひこの機会にWPS Cloud Proの利用をご検討ください。