WPS Cloud Proの利用をご検討いただいている皆さまの中には、「Google Workspaceとどのように違うのだろうか?」という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

WPS Cloud ProとGoogle Workspaceは、ITソリューションの分類ではどちらもクラウド型オフィスソフトにカテゴライズされる製品ですが、機能や利用環境はそれぞれ異なります。

今回のコラムでは、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。備えている機能や利用環境の差、「おすすめの人はどのような人か」など、様々な角度から情報をまとめました。WPS Cloud ProとGoogle Workspaceの違いについて知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

※本ページに記載の内容は、2023年5月末時点のものです

様々なビジネスアプリを備えた「Google Workspace」

はじめに、それぞれのサービスについて簡単な概要を紹介します。まずGoogle Workspaceについてです。Google Workspaceは、Google社が提供するクラウド型のオフィススイートです。GoogleドキュメントやGoogleスライドといったオフィスソフトを搭載しており、クラウドストレージはGoogleドライブが利用できます。

Google Workspaceはこれら以外にも、メーラーのGmailやWeb会議システムのGoogle Meetなど幅広いビジネスアプリを備えており、グループウェアとして活用している企業も多いです。

クラウド型オフィスソフトは主に企業のドキュメント管理に焦点を当てたソリューションといえますが、Google Workspaceはその枠を大きく超え、ビジネスに必要とされるアプリを網羅的に備えた総合ITソリューションとして数多くの企業に使用されています。

オフィス互換ソフトにPDF編集機能を備えた「WPS Cloud Pro」

続いて、WPS Cloud Proです。WPS Cloud Proは、キングソフト株式会社が提供するクラウド型オフィスソフトです。日本では15年以上前から提供されている老舗オフィス互換ソフト「WPS Officeシリーズ(元KINGSOFT Office)」の法人向けクラウド版であり、2021年12月に正式リリースされました。

WPS Cloud Proでは、文書作成ソフトのWriterや表計算ソフトのSpreadsheetsといったオフィス互換ソフトのほか、1ユーザーあたり100GBのクラウドストレージが利用できます。またPDF編集機能を備えており、PDFファイルの編集にも対応可能です。

Google WorkspaceのようにメーラーやWeb会議システムのアプリは備えておらず、ビジネスで扱うドキュメントの作成や編集、管理に特化した構成の機能群となっています。

WPS Cloud ProとGoogle Workspaceの機能的な違い

WPS Cloud ProとGoogle Workspaceの違いについて、使える機能やアプリの幅広さからいえば、Google Workspaceのほうがより網羅的です。オフィスソフトとクラウドストレージ以外にも、メーラーやWeb会議システム、カレンダーなど様々なビジネスアプリを備えています。

一方のWPS Cloud Proは、機能を大きく分けると、オフィス互換ソフト・クラウドストレージ・PDF編集機能の3つが備えられています。PDF編集機能が使えることはドキュメント管理の側面から見ると特長といえますが、グループウェア的なものとして考えると、Google Workspaceのほうがビジネスに必要な機能を網羅しているといえるでしょう。

機能面での比較をまとめると、グループウェア的な機能は不要で「PDF編集がやりたい」という場合には、WPS Cloud Proが適しています。

そうではなく、「ビジネスに必要なアプリを1つの製品で賄いたい」「PDF編集は不要」という場合は、機能の幅が広いGoogle Workspaceのほうが好適といえるでしょう。

大きな違いは「利用環境」。デスクトップアプリの有無

前の段では、WPS Cloud ProとGoogle Workspaceの違いについて、機能や使えるアプリの観点から比較しました。ここでは、製品の利用環境に焦点を当てて両者の違いをみていきます。

実はこの利用環境こそが、WPS Cloud ProとGoogle Workspaceの違いを顕著に表しています。

WPS Cloud Proは、Webブラウザ、モバイルアプリ、デスクトップアプリ(いわゆるPC版アプリ)のそれぞれの環境に対応しています。一方のGoogle Workspaceは、Webブラウザとモバイルアプリには対応していますが、デスクトップアプリでの利用には対応していません *1。

ここが両者の大きな違いです。

近年はビジネスの様々な領域でクラウドの活用が進んでいます。インターネットの窓口であるWebブラウザからITサービスを利用しているという方も多いでしょう。

しかしオフィスソフトにおいては、ビジネスのシーンで長らくデスクトップアプリとして親しまれてきたこともあり、ブラウザではなくデスクトップアプリで使いたいと考える方が多くいます。

その場合、デスクトップアプリを有したWPS Cloud Proのほうが、快適に作業がおこなえると感じる可能性は高いかもしれません。

とはいえ、どのような利用環境を快適と感じるのかは人それぞれ好みの問題という側面もあるため、一概にどちらの利用環境のほうが優れていると決めることは困難です。

多少手間はかかりますが、無料版や無料トライアルを活用して実際に使ってみて比較するのが最も堅実といえるでしょう。

*1 GoogleドライブやGoogle Meetなど一部の機能はデスクトップアプリで使用することができます。

価格の違い

最後に、価格を比較してみます。WPS Cloud Proはライトプランのみの提供となっており、価格は1ユーザーあたり月額300円(税抜)です。

一方のGoogle Workspaceは、標準的なプランである「Business Standard」で1ユーザーあたり月額1,360円(税抜)となっています。

利用できるアプリの種類が異なるため、公平な基準に基づいて価格を比較することは困難です。しかし単純に金額だけをみるとWPS Cloud ProがGoogle Workspaceよりも安価であることは事実であるため、「オフィスソフトのコストを抑えたい」という場合は、WPS Cloud Proのほうが要望に応えられる可能性が高いといえるでしょう。

Google Workspaceがおすすめな人

  • メーラーやWeb会議システムなどグループウェア機能が必要な人
  • Webブラウザでの作業に慣れている人
  • コストは多少高くても構わない人

WPS Cloud Proがおすすめな人

  • オフィス互換ソフトとクラウドストレージが使えれば問題ない人
  • PDF編集がやりたい人
  • デスクトップアプリで作業がしたい人
  • コストを抑えたい人

クラウド型オフィスソフトは業務の内容や従業員の特性に合わせて選択しよう

今回のコラムではWPS Cloud ProとGoogle Workspaceを比較しました。クラウド型オフィスソフトとして両者を比較したとき、大きな違いは「利用環境」にあります。つまり、デスクトップアプリが使えるかどうか、ということです。

利用環境の違いは、業務の作業効率やツールの利用浸透に大きな影響を与えます。業務の内容や従業員の特性に合わせて、適する利用環境を備えたクラウド型オフィスソフトを選択しましょう。