仕事に欠かせないオフィスソフト。文書作成ソフトや表計算ソフト、プレゼンテーションソフトといったオフィスアプリが使用でき、報告書の作成や関数を用いたデータ分析、プレゼン資料の作成など、幅広いビジネスシーンで利用されています。
ビジネスパーソンの必須アイテムともいえるオフィスソフトですが、実は「サポート期限」があることをご存じでしょうか?
直近では「Microsoft Office 2013」が、2023年4月11日にサポート期限を迎えました。
今回のコラムでは、オフィスソフトのサポート期限について詳しく解説。「期限が切れるのはいつなのか?」「期限が切れるとどうなるのか?」などの疑問に答えていきます。
目次
オフィスソフトにはサポート期限がある
冒頭でもお伝えした通り、オフィスソフトのサポートには期限があります。
例えば買い切り版のオフィスソフトの場合、多くの製品が3〜5年ほどでサポートの提供を終了します。
サポート期限が切れると「新しい機能の追加」や「改良プログラムの配布」、「セキュリティの強化」や「テクニカルサポート」といったサポートが受けられなくなります。
Microsoft Officeのサポートは2種類
オフィスソフトの代表格であるMicrosoft Officeの場合、サポートの内容や期限はどうなっているのでしょうか。
Microsoft Officeでは主に2種類のサポートを提供しており、サポートの内容は以下のとおりです。
サポートの種類 | サポートの内容 |
---|---|
メインストリームサポート | ・更新プログラムの提供 ・新機能の追加 ・仕様変更 |
延長サポート | ・メインストリームサポートのうち、セキュリティに関するアップデートのみ無償提供 |
1つは、更新プログラムの提供や新機能の追加、仕様変更といったサポートを提供する「メインストリームサポート」。
もう1つは、メインストリームサポートのうちセキュリティのアップデートに関するもののみを無償で提供する「延長サポート」です。
メインストリームサポートは製品発売日から起算して最低5年間、延長サポートはメインストリームサポートが終了してから最低5年間はサポートが受けられることになっています。
Microsoft Officeのサポート期限
では実際のところ、Microsoft Officeの各製品は“いつサポート期限が切れる”のでしょうか? 各製品のメインストリームサポートと延長サポートの終了日を表にまとめてみました。
サポートの開始日 | メインストリームサポートの終了日 | 延長サポートの終了日 | |
---|---|---|---|
Office 2013 | 2014年2月25日 | 2018年4月10日 | 2023年4月11日 |
Office 2016 | 2015年9月22日 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 |
Office 2019 | 2018年9月24日 | 2023年10月10日 | 2025年10月14日 |
Office 2021 | 2021年10月5日 | 2026年10月13日 | ー |
最も直近で延長サポートの期限が切れるのは「Office 2013」です。2023年4月11日に終了日を迎えました。
オフィスソフトのサポート期限が切れるとどうなるのか?
オフィスソフトのサポート期限が切れると、どうなってしまうのでしょうか? こちらもMicrosoft Officeを例にご紹介します。
Microsoft Officeでは前節で説明した通り2種類のサポートを提供しています。その2種類とは「メインストリームサポート」と「延長サポート」の2つです。
メインストリームサポートでは新機能の追加や仕様変更といったサポートを提供していますが、期限が切れるとそれらのサポートは打ち切られることになり、その後は延長サポートに切り替えられます。
延長サポートでは、セキュリティ更新プログラムのみが無償で提供され、それ以外のメインストリームサポートで受けられていたサポートは受けられない、もしくは有償でのサポートとなります。
そして、延長サポートが切れるとマイクロソフト社から受けられるすべてのサポートが終了します。
延長サポートが終了してもソフト自体は使えるが…
延長サポートが期限を迎えても、いきなりオフィスソフトが使用できなくなるわけではありません。ソフトが起動しなくなるわけでもなく、これまでと同じように使用できます。
問題となるのは、脆弱性の面です。
脆弱性とは、製品の開発段階では見つからなかったプログラムの不具合や設計上のミスが原因で発生した「情報セキュリティ上の欠陥」を意味します。別名「セキュリティホール」とも呼ばれます。
不正アクセスやウイルス感染といったサイバー攻撃はこの脆弱性を狙って行われることが多く、提供元はこれらの攻撃から製品を守るために対策用の更新プログラムを作成し、ユーザーに提供します。
ユーザーはこの更新プログラムをソフトに適用し脆弱性を塞ぐことで、安全にオフィスソフトを使い続けられるというわけです。
延長サポートが切れると脆弱性は放置の状態
Microsoft Officeの延長サポートで提供されるセキュリティ更新プログラムとは、この脆弱性に対する対策です。したがって、延長サポートの期限内は脆弱性を大きく気にする必要なく、オフィスソフトが利用できます。
しかし延長サポートの期限が切れたオフィスソフトは一切のサポートが受けられない状態なので、当然脆弱性に関するサポートも受けることができません。
新たな脆弱性が見つかったとしてもそれは放置されてしまうため、サイバー攻撃に対して無防備な状態となります。
脆弱性が放置された無防備なソフトウェアはサイバー攻撃の格好の餌食です。延長サポートが切れてもソフト自体は使用可能ですが、マルウェア感染やデータの盗聴といったセキュリティリスクに晒され続けることになります。
ビジネスで使い続けることは困難
誰とも関わりを持たない、メールのやり取りはもちろんインターネットの接続すらしない端末であれば、そういったセキュリティ関連の被害をうけても大きな問題にはならないかもしれません。
しかし、ビジネスの場面でオフィスソフトを使用する場合、そうはいかないケースがほとんどです。Wordで作成した文書を誰かに送る、Excelで作成した帳票を社内サーバーに格納するなど、その端末は必ずどこかで外部と接点を持つことになります。
そのような環境において、ウイルスに感染したオフィスソフトやPCを使用し続けることは、現実的ではありません。社内はもちろんのこと、万が一取引先や顧客にまでウイルス感染などの被害を拡大してしまったら、会社の信用問題にまで発展する恐れがあります。
したがって、情報セキュリティの観点においては、ビジネスシーンで延長サポートが切れたオフィスソフトを使い続けることは非常に難しいといえるでしょう。
IPAの調査結果では半年で22件の脆弱性が発見
前節で解説したように、延長サポートが期限を迎えたオフィスソフトは、脆弱性のサポートが受けられずサイバー攻撃に対して無防備な状態となってしまうため、ビジネスの場面で使用を継続することはほぼ不可能です。
しかし、実際はどれくらいの数の脆弱性が発生しているのでしょうか?
「そこまで深刻なレベルの脆弱性がたくさん発生するのだろうか」「実は数が少なくて、サポートがなくても問題がないのではないだろうか」と思われる方もいるかもしれません。
脆弱性の発見数について、情報セキュリティの専門機関である独立行政法人のIPA(情報処理推進機構)の報告を見てみましょう。
同機構によると、2020年10月13日にサポート期限が切れた「Office 2010」では、2019年1月〜6月の間に22件もの脆弱性が発見され、しかもそのうちの半数以上である12件(55%)が最も深刻度の高いレベル3に該当する脆弱性でした(図1)。
この調査結果からもわかるとおり、脆弱性は日々新しいものが発見されている状況であり、しかもそのうちの半数以上が、最も深刻なレベルにカテゴライズされる重大な欠陥です。
延長サポートが切れたオフィスソフトは、これらの脆弱性に対して保護されていない状態なので、簡単に悪意のある第三者からの攻撃を受けてしまいます。結果、機密データの盗聴やマルウェア感染など企業にとって重大なインシデントを招く恐れがあります。
したがって、延長サポート期限が切れたオフィスソフトは利用しない、またはサポート期限が切れる前に新しいオフィスソフトに買い替えることが賢明といえるでしょう。
出典:IPA|複数の Microsoft 社製品のサポート終了に伴う注意喚起
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