PDF編集ソフトの第一候補として「Adobe Acrobat」を検討される方は多いのではないでしょうか。実は、本サイトで提供している“月額300円(税抜)”から利用できるクラウド型オフィスソフト「WPS Cloud Pro」でも、PDF編集機能をご利用いただくことができます。

では、Adobe AcrobatとWPS Cloud ProのPDF編集機能は、どのような違いを有しているのでしょうか?

今回のコラムでは、「操作性・機能・価格」といった3つのポイントで各製品の違いを比較します。

「WPS Cloud ProのPDF編集機能が気になるが、Acrobatと何が違うのか知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

Adobe Acrobatとは

「Adobe Acrobat(以下、「Acrobat」)」とは、アドビが開発・提供するPDF編集・作成ツールです。Acrobatでは、PDFの編集や作成、加工や共有、電子証明、モバイル利用など、PDF編集に関する幅広い操作を実行することができます。

PDF編集ソフトの中では特に高い知名度をもち、多くの企業で利用されている実績の豊富なサービスです。

利用方法については、クラウドで利用する「サブスクリプション版」と、買い切りで使える「永続版」の2種類が提供されています。

しかし、永続版のアップグレード版は提供が終了しており、さらにAdobe Acrobat 2020(永続版)のサポートは、2025年6月1日をもって終了することが告知されています*1。

公式サイト内でも、セキュリティ維持の観点などからサブスクリプション版の利用を推奨しているため、基本的にはサブスクリプション契約で利用するツールと考えるのが妥当といえるでしょう。

*1 Acrobat 2020 (永続版)以後のAcrobat永続版をご検討のお客様へ – Adobe

WPS Cloud Proとは

WPS Cloud Proは、オフィス互換ソフトとクラウドストレージが一体となったクラウド型オフィスソフトです。一般的なオフィススイートとの違いは、「PDF編集機能」を備えている点にあります。

WPS Cloud ProのPDF編集機能では、PDFの編集や作成、加工や共有などの操作を行うことができ、デスクトップアプリやモバイルアプリでの利用も可能です。

利用方法については、サブスクリプション版のみでの提供となっており、基本的には法人を対象としたサービスとなっています。

AcrobatとWPS Cloud ProのPDF編集ソフトを比較!

AcrobatとWPS Cloud Pro、どちらもPDF編集が行えるITツールです。PDF編集ソフトとして両者を比較したとき、どのような違いがあるのでしょうか。

AcrobatとWPS Cloud Pro、それぞれのPDF編集機能を「操作性・機能・価格」の3つの側面から比較します。

比較項目①操作性

エディタ画面

操作性について、まずはじめに各製品のエディタ画面を見比べてみましょう。エディタ画面は、対象のPDFを開いたときにはじめに表示される画面です。

AcrobatとWPS Cloud Pro、パッとみた印象では、どちらもそれほど大きな違いはありません

「各ページのサムネイル(左側)」や「よく使うツール・おすすめツール(右側)」といった「エディタツールの表示エリア」は同じ位置にあり、操作ツールがアイコン化されてわかりやすくなっている点も同様です。

ツールバーの表示形式が異なる

1点、エディタ画面の違いとして見受けられたのが、ツールバーの表示形式です。Acrobatはツールバーが別タブにありますが、WPS Cloud Proはエディタ画面内の上部に固定で表示されています。

そのため、Acrobatではより詳しい編集操作を行うとき、別タブからツール画面を開く必要があります。一方のWPS Cloud Proは、上部のツールバーから編集操作を実行することが可能です。

編集操作のイメージ

続いて、編集操作のイメージを見比べてみます。「テキスト編集」時の操作性を確認してみましょう。「PDFを編集(WPS Cloud Proは「編集テキスト」)」をクリックすることで、PDF内のテキストが編集可能となります。

テキストの認識範囲はほぼ同様で、編集したい範囲のテキストをドラッグ選択してみると、問題なく選択することができました。

クリックやドラッグによって直感的に操作できるという点で、編集に関する操作イメージはほとんど変わりないといえるでしょう。

比較項目②機能

Adobe Acrobat Pro グループ版WPS Cloud Pro
PDF編集機能
PDFの基本的な編集
(テキストや画像の編集、ページの並べ替え)
Microsoft Officeファイルとの相互変換
写真をPDFに、PDFを写真に変換
マルチデバイスでの利用
ほかのアプリとの連携
署名を追加し、電子証明を付与
表1(各比較項目は編集部独自の基準に基づく)

比較項目の2つ目は、「機能」です。それぞれが搭載する機能を表1にまとめました(プランはAdobe Acrobat Pro グループ版を参照)。

機能の豊富さ」という点ではAcrobatのほうが優れています。特に「ほかのアプリとの連携」や「電子署名」の機能を重視する場合は、Acrobatの機能が必須となります。

各項目について詳しく見ていきましょう。

PDFの基本的な編集

テキストの編集や画像の挿入、ページの並べ替えや削除といったPDFの基本的な編集操作に関する機能項目です。AcrobatとWPS Cloud Pro、どちらも同様の機能を有しており、PDFの基本的な編集操作を一通り行うことができます。

Microsoft Officeファイルとの相互変換

WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft Officeファイルを、PDFに変換したり、PDFをこれらのファイルに変換したりできる機能です。AcrobatとWPS Cloud Pro、どちらも同様の機能を有しています。Microsoft OfficeファイルとPDFの相互変換が可能です。

写真をPDFに、PDFを写真に変換

JPEGやTIFF、PNGなどの写真データをPDFに変換したり、PDFをこれらの写真データに変換したりできる機能です。AcrobatとWPS Cloud Pro、どちらも同様の機能を有しています。写真データとPDFの相互変換が可能です

マルチデバイスでの利用

PCやタブレット、スマートフォンといったマルチデバイスでの利用に関する機能項目です。AcrobatとWPS Cloud Pro、どちらもデスクトップアプリとモバイルアプリが提供されているため、マルチデバイスで利用することができます。

ほかのアプリとの連携

Acrobatでは、外部アプリとの連携機能が使用可能です。例えば、「Microsoft 365とSharePonitを含むエンタープライズ向けアプリとの連携」や、「BoxやDropbox、Google Driveのアカウントでファイルにアクセスし、編集、保存などの操作」を行うことができます。

一方のWPS Cloud Proでは、これらの外部アプリと連携することができません。その代わり、ビジネスチャット・社内SNS「WowTalk」と連携することができます。

WPS Cloud ProとWowTalkを連携することで、「チャットからPDFをシームレスに共有」「チャット上でPDFプレビューを閲覧」などの操作が可能です。

「ほかのアプリとの連携」という機能項目においては、WPS Cloud ProよりもAcrobatのほうが連携可能なアプリの種類が多いため、Acrobatのほうが優位であるといえるでしょう。

署名を追加し、電子証明書を付与

Acrobatでは、PDFに署名を追加し、その署名に電子証明書を付与することができます。この一連の操作を「電子署名」といいます。電子署名が付与された書類は、その書類が本人によって作成された事実や不当に改竄されていないことの証明が可能です。

WPS Cloud Proでは、署名を追加することができます。しかし、電子証明書を付与することはできません。そのため、電子署名の作業にWPS Cloud ProのPDF編集機能を利用することは不可といえます。

署名機能の機能性という点においては、Acrobatのほうが優れているといえるでしょう。

比較項目③価格

Adobe Acrobat Pro グループ版WPS Cloud Pro
ライトプラン
2,380円/月/1ライセンス
*Pro 年間プラン (月々払い)
330円/月/1ID
表2(税込)

最後に、価格を比較します。「Adobe Acrobat Pro グループ版」のプランと、WPS Cloud Pro ライトプランを表2にまとめました(WPS Cloud Proはライトプランのみの提供)。

Adobe Acrobat Pro グループ版は年間プランで月額2,380円(税込)、WPS Cloud Proは月額330円(税込)となっています。それぞれ1ユーザーずつの料金です。

価格面については、約7倍の差がついてWPS Cloud Proのほうが安価であることがわかります。

【結論】高機能なのはAcrobat、全体のコスパで選ぶならWPS

比較項目検証結果
操作性ほぼ変わらない
機能Acrobatのほうが幅広い機能を使用できる
価格WPS Cloud Proのほうが安価(価格差:約7倍
表3

結論として、PDF編集ソフトとして高機能であるのはAcrobatです。「ほかのアプリとの連携」や「電子署名」など幅広い機能を備えています。

一方価格に関しては、1ユーザーあたりの料金で見ると、WPS Cloud Proのほうが“約7倍”安価です。

またWPS Cloud Proは、PDF編集機能以外にも、オフィス互換ソフトやクラウドストレージの機能も使用することができるため、ITツールとしての総合的な機能性という面から評価すると、コストパフォーマンスに優れているといえます。

まとめ

PDF編集ソフトに「機能の豊富さ」や「特定の機能(電子署名)」を求める方はAcrobatのほうが適している可能性が高いです。

反対に、PDF編集では一般的な機能が使用できれば問題がなく、全体のコスパでITツールを選択したいという方には、WPS Cloud Proがおすすめであるといえます。

したがって、「AcrobatとWPS Cloud Pro、どちらのPDF編集ソフトがよいか?」と迷ったときには、「機能と価格のどちらを重視すべきか」という判断軸で検討するのがよいといえるでしょう。

※各製品の機能や料金の情報は2023年3月8日時点のものとなっております。最新情報は各社公式サイトをご参照ください。

コストパフォーマンスで選ぶなら「WPS Cloud Pro」

WPS Cloud Proは、月額300円(税抜)からご利用いただけるクラウド型オフィスソフトです。オフィス互換ソフト・クラウドストレージ・PDF編集機能をオールインワンで使うことができます。

PDF編集ソフトとしてはもちろん、企業のドキュメント資産管理ツールとしても活用いただけるITツールです。WPS Cloud Proを活用して、コストの最適化やITツール環境のグレードアップを実現しませんか?