ビジネスに欠かせないITソリューションのひとつ、オフィスソフト。文書作成ソフトや表計算ソフトといった複数の業務用オフィスアプリを統合した製品であり、多くの企業が日常の業務にオフィスソフトを使用しています。

もはや当たり前のごとく従業員に与えられているオフィスソフトですが、実は、オフィスソフトの運用にあたって、管理者側でさまざまな「管理業務」が発生していることをご存じでしょうか。

「ライセンス番号の保管」や「バージョンアップへの対応」、「サポート期限の把握」など、オフィスソフトの管理者は、従業員がシステムを問題なく使えるようにさまざまな業務に対応しています。

WPS Cloud Proの「組織管理コンソール」は、そんなオフィスソフトの管理業務を簡便にしてくれる法人専用の機能です。今回のコラムでは、オフィスソフト管理でよくある悩みの紹介から、WPS Cloud Proの組織管理コンソールを活用した解消法までご紹介します。

オフィスソフトの管理でよくある悩み

オフィスソフトの管理にあたって、このような悩みを感じている企業や担当者の方も多いのではないでしょうか。

「購入したオフィスソフトのバージョン管理やアップデート対応が大変。UIが大幅に変わったりして、従業員からの問い合わせにも対応しなきゃいけない」

「オフィスソフトをインストールした端末の管理が面倒…。いつ・どのPCにダウンロードしたのかを把握するだけでも手間がかかる」

これらは「パッケージ版のオフィスソフト」を利用している場合に多い悩みです。いわゆる買い切り型と呼ばれるもので、PCにソフトウェアをインストールしてオフィスアプリを使用します。

買い切り型では、オフィスソフトに付与されているライセンスを端末ごとに管理する必要があります。そのため、導入時期やオフィスソフトの種類がバラバラだと、各状況を把握するだけでも大きな手間がかかってしまうのです。

サポート期限やバージョンアップへの対応

また、サポート期限が切れそうなものがあれば、必要に応じて製品を買い替え、バージョンアップしなければいけません。サポート期限が切れたオフィスソフトは脆弱性に対して無防備な状態であり、ウイルス感染や情報漏えいなど重大なトラブルを引き起こす恐れがあります。

さらに、古いバージョンのオフィスソフトは互換性に問題を生じるケースも少なくありません。そのまま使い続けると、受け取ったファイルを正しく互換できなかったりして、業務に支障をきたす可能性もあります。

セキュリティ面はもちろん、業務のスムーズな進行のためにも、オフィスソフトのバージョン管理は大切な業務です。

オフィスソフトをビジネスで使い続けるためには、こういったさまざまな管理業務を乗り越える必要があり、場合によっては、ITシステム担当者にとって悩みの種となることがあります。

ナレッジ共有に課題を感じる企業も

またライセンスやバージョン管理に関する悩みの他にも、「ナレッジ共有」の観点から課題を感じている企業も最近では増えています。

ナレッジ共有とは、企業が蓄えてきた経験や知識を資産化し、会社として有効活用していく取り組みのこと。

商談に使ったプレゼン資料や、過去の統計をまとめたデータファイルなどは、企業の貴重な財産です。ナレッジ共有の目的は、これらを共有可能なナレッジとして資産化し、企業全体の活動レベルを底上げすることにあります。

ナレッジ共有の肝は「暗黙知から形式知へ」の変換に

ナレッジ共有の肝は、暗黙知を形式知に変換することにあります。暗黙知とは「言語化されていないノウハウ」のことで、従業員やチームが個別に蓄えているものです。

形式知は、周囲に共有されていない暗黙知を、言語化や図案化を通じて「誰でもわかるように変換したもの」を意味します。

暗黙知から形式知への変換にあたっては、目に見える形でのアウトプットが求められます。そのアウトプットに用いられる一般的なITソリューションが、オフィスソフトです。

プレゼンテーションソフトを使って新人育成用のマニュアルを作成したり、過去の顧客との商談履歴をDOCX化して記録に残したり、こういった活動はナレッジ共有の一環といえます。

オフィスソフト単体でナレッジ共有を実現するのは難しい

ナレッジ共有と高い親和性をもつオフィスソフトですが、実現にあたって課題となりやすいのが「共有・保管・管理」の部分です。

各種オフィスアプリを活用することでナレッジのアウトプットは問題なく行えます。しかし、そのアウトプットを会社として全体に共有する、もしくは一元的に保管し管理するためには、オフィスソフト単体ではまかなえない場合があります。

ファイル管理にユーザーの能動的な動きが必要

まずオフィスソフトだけでは、ファイルを共有可能な状態で保管することができません。デフォルトの設定だと、作られたファイルはユーザーのローカルストレージに保管されますが、個別での保存となるため、会社として共有可能な状態とは言えません。

会社として共有するためには、ユーザー自身の能動的な動きが必須で、具体的には「社内ファイルサーバーへの保管」や「メールで関係者に共有する」といった行動を取ることが求められます。

この場合、「作成した資料は必ず〇〇に保管すること」といったようにファイルの保管ルールを定めれば、全社的なアウトプットの共有を仕組み化することは可能です。

しかし、ユーザーの能動的な動きに頼った仕組みなので、形骸化したり抜け漏れが生まれたりといった運用上の懸念があります。

ファイルの編集履歴を管理できない

また、この仕組みはあくまでもファイル保管に関するものであり、「ファイルの編集履歴」を管理するまでに至っていない点も懸念事項のひとつです。

「誰が・いつ・どのように編集を行ったのか?」。組織としてアウトプットされたファイルを一元的に管理するのであれば、こういった編集履歴の記録は欠かせません。

つまり、ナレッジ共有を実現するためには、オフィスソフトの基本的な機能だけでは足りないケースが多く、ファイルストレージや管理機能の活用によって、「共有や保管、管理」の部分を補う必要があるということです。

WPS Cloud Proの「組織管理コンソール」で悩みを解決!

WPS Cloud Proの「組織管理コンソール」は、先の章で挙げた「オフィスソフトのライセンス管理に関する悩み」や、「アウトプットの共有・保管・管理における課題」の解決に役立つ機能です。

WPS Cloud Proは、文書作成ソフトや表計算ソフトといったオフィスアプリを使用できる「互換性オフィスソフト」と、インターネット上でファイルの保存や管理が行える「クラウドストレージ」が一体となったクラウド型ソリューションです。

組織管理コンソールでは、WPS Cloud Proで使用可能なオフィスソフトやクラウドストレージを、あらゆる角度から一元的に管理することができます。

次項から、組織管理コンソールで「できること」をいくつか抜粋してご紹介します。

①メンバーの一括管理ができる

組織管理コンソール上で、メンバーを一括管理することができます。買い切り型のパッケージ版とは異なり、端末ごとにライセンスを管理する必要はありません。管理画面上の操作だけで、企業内で利用しているオフィスソフトのメンバー管理を完結させることができます。

メンバーの追加や削除もコンソール上から簡単に行うことができ、個別の操作はもちろん、アドレス帳のインポートによる一括追加も実行可能です。従業員の入社や退職に伴うアカウントの増減も、管理画面から簡単に行うことができます。

②有効期限やユーザー数が一目でわかる

オフィスソフトの管理において特に煩雑になりやすいのが、有効期限やユーザー数の管理です。これらの情報についても、組織管理コンソールの画面上で簡単に確認することができます。決算などに伴い、IT資産の管理状況を把握したいときにも便利です。

③クラウドストレージ内のファイルを一元管理できる

冒頭でも説明した通り、WPS Cloud Proは互換性オフィスソフトとクラウドストレージが一体となった製品です。ドキュメントの作成から共有・保管まで、これひとつでまかなうことができます。

組織管理コンソールでは、クラウドストレージ内に保管されたファイルの一元管理が可能です。ファイルの編集履歴(ログ)の確認や、ユーザーが誤って削除したファイルの復元、設定した部門やチームごとのファイルアクセス制限など、さまざまな操作が行えます。

ナレッジ共有において課題となりやすい、アウトプットファイルの共有や保管、管理といった課題を包括的に解消することができます。

④企業ポリシーに応じた設定ができる

企業のファイル管理において特に重要なのが、セキュリティの担保です。WPS Cloud Proでは、組織管理コンソールから企業ポリシーに応じたさまざまなセキュリティ設定が行えます。

「IPアクセス制限」や「デバイスアクセス制限」などのほか、社外へのドキュメントファイル共有を一括で禁止するといった設定も可能です。こちらの機能を活用いただくことで、安心・安全なオフィスソフトの利用環境を構築いただけます。

組織管理コンソールの機能一覧

上記で紹介した以外にも、組織管理コンソールではさまざまな機能を利用することができます。組織管理コンソールの機能を、一部抜粋して一覧でまとめました。

機能概要
ストレージ設定ユーザーやチームに付与するストレージの容量を0GBから分配できる
共有リンクの管理ファイルの共有状況の確認や検索が行える
チームの管理チーム一覧の確認やチームオーナーの変更、チームのゴミ箱の削除や復元が行える
削除したファイルの管理退会したメンバーのファイル管理や、削除したファイルの復元、二次ゴミ箱への移動が行える
企業概要の確認企業名やID、ユーザー数やストレージ容量、パッケージ/有効期限の確認が行える
データ概要の確認ユーザー数やドキュメント数、チーム数や使用済/使用可能ストレージの容量などを確認できる
企業インデックスの確認アクティブユーザーやファイル、チームや共有の確認が行える

組織管理コンソールでオフィスソフト管理を簡便化

キングソフト、法人向けクラウド型オフィス『WPS Cloud Pro』を12月9日リリース

WPS Cloud Proの組織管理コンソールを活用いただくことで、

・オフィスソフトのライセンスやサポート期限の管理業務を簡便化
・ストレージ内のファイルを会社のドキュメント資産として一元管理

といったことが実現可能です。

また、WPS Cloud Proはサブスクリプション型のクラウドサービスなので、常に最新バージョンのオフィスソフトをお使いいただけます。組織管理コンソールによってオフィスソフトの管理業務を簡便化できるだけでなく、バージョンアップへの対応コスト削減にも効果が期待できます。

オフィスソフトの管理やナレッジ共有に課題を感じられている企業や担当者の方は、ぜひこの機会にWPS Cloud Proのご利用を検討ください。