クラウド型オフィス「WPS Cloud Pro」について、ワウテックの社員に10の質問を投げかける企画、「中の人に聞いてみた」。今回はシリーズ第2弾として、【CS編】をお届けします。インタビューに協力してくれたのは、カスタマーサクセス本部 CSリレーション部に所属する作本 奈緒子さん。

CSとしてユーザーの成功体験を創出するためにさまざまな支援活動を行う作本さんに、WPS Cloud Proに関する質問を10個投げかけてみました。

※ワウテック株式会社は2023年9月1日にグループ会社であるキングソフト株式会社と合併いたしました。所属や役職は取材時点の情報です。

Q1. CS(カスタマーサクセス)とはどのような仕事ですか?

A. お客様に伴走し、成功(サクセス)まで導く仕事です

弊社サービスを導入いただいたお客様が、製品をよりよく使っていただけるようにさまざまなサポートを行う仕事です。

お客様の目的や期待されていることに合わせて、「オンボーディング」や「活用事例の紹介」などのサポートを提供しています。イメージとしては、「お客様を成功(サクセス)へ導くために横について伴走し、二人三脚で駆けていくこと」を想像していただけると近いかもしれません。

その中で私はCSリレーション部に所属しており、主にお客様へのオンボーディング業務を担当しています。オンボーディングとはCS用語で「お客様がスムーズに製品を使い始めていただけるように、導入の初期段階で支援を行うこと」を意味する言葉です。

お客様によってツールへの理解度や希望する活用方法は異なります。そのため、導入時におけるツールの出発地点や望む方向性が必ずしも同じではありません。

「ITツールを導入するのは初めてなので、設定や使い方から教えてほしい」というお客様もいれば、「ツールの使用方法は熟知しているから、他社の活用事例を教えてほしい」というお客様もいます。オンボーディングではヒアリングをベースにお客様の要望を引き出し、お客様に合わせたサポートを提案・提供しています。

WPS Cloud Proのオンボーディングは、メンバーの登録やWowTalkとの連携など「管理者側の初期設定」に関するご案内がメインです。そのほかにも、件数はあまり多くありませんが、実際の活用方法のご紹介や、リプレイスに関する切り替え作業のサポートなども行っています。

Q2. WPS Cloud Proの「強み」はどんなところですか?

A. コストパフォーマンスが優れていること

「コストパフォーマンスが優れていること」だと思います。私はWowTalkのオンボーディングも担当しているのですが、冒頭に必ずWPS Cloud Proをご紹介しています。そのとき、価格面で興味を持たれるお客様がかなり多いんです。

ほとんどのお客様は、業務用のオフィスソフトとしてマイクロソフト社のMicrosoft Officeを使用しており、それなりの費用をかけています。Microsoft Officeはプランによっては1IDあたり1,000円以上の費用がかかります。WPS Cloud Proであれば、半額以下の税抜300円から代替可能です。その意味で、やはり価格面は強みのひとつだと思います。

A. 小回りが効きやすいこと・PDF編集機能がついてくること

また、コストが抑えられているがゆえに「小回りが効きやすいこと」もコストパフォーマンスの優秀さを表す特徴です。

例えば、オフィスソフトのアカウント配布に関する議論で、「派遣社員の方にオフィスソフトの利用権限を与えたいが、Microsoft Officeだと多機能すぎてオーバースペックなので、費用対効果が合わない」といった声をよく耳にします。このような場面でも、WPS Cloud Proは機能を必要なものに絞ってコストを圧縮しているので、利用にあたってのハードルが低く小回りを効かせやすいんです。

また、人員の入れ替わりが多い職場環境だと利用アカウントの増減も激しくなりますが、そういった環境でもID単価のコストが抑えられているので気軽に扱えます。

あと、個人的にはこの価格でPDF編集がついてくることも、WPS Cloud Proならではの魅力だなと思います。資料をちょっとだけ修正したいときや、商談前に急いで直さないといけないときに、元のファイルから編集する手間を省けるので便利です。

Q3. どんな目的・理由でWPS Cloud Proを導入されるお客さんが多いですか?

A. 使用しているオフィスソフトのサポート終了が多い

「使用しているオフィスソフトのサポート期限切れ」を理由に導入されるお客様が多いですね。中には、数年前に期限が切れているという方もいらっしゃいます。そのままでは問題があるからということで、WPS Cloud Proを導入いただいています。

また、「ITインフラにかけるコストを見直したい」という目的で導入いただくケースも少なくありません。他社のオフィスソフトが高額で機能もオーバースペック気味だから、コスト削減のために、十分な機能が使えて価格もリーズナブルなWPS Cloud Proに買い替えるというお客様が一定数いらっしゃいます。

コストの見直しと関連して「買い替えのイニシャルコストを抑えたい」といった理由で導入いただくお客様も多いです。買い切り版のMicrosoft Officeを利用されているお客様の場合、それらをすべて最新のMicrosoft Officeに買い替えるとなると、高いイニシャルコストがかかります。それが理由で、「サポートの期限が切れてもなかなか買い替えに踏み切れない」というお客様もいらっしゃるようです。

WPS Cloud Proであれば、月額で利用料金を支払うサブスクリプション形式なのでイニシャルコストを抑えられます。また、そもそもの単価が低く抑えられているので、ITインフラ全体のコスト見直しにも効果が期待できます。

そのため、お客様の中には「オフィスソフトのサポート期限切れへの対応」と「ITインフラにかかるコストの見直し」といった2つの軸から効果を期待されて導入される方もいらっしゃいます。

Q4. 導入後のお客さんから「よく聞かれること」は?

A. オフィスソフトの互換性について。「ほぼ問題なし」と回答

オフィスソフトの互換性に関する質問をよく頂戴します。回答としては、「ほとんど問題ありません」とお答えしています。Microsoft Officeとほぼ同じような使用感なので、Microsoft Officeを使ったことのある方であれば特段の違和感なく使っていただけるかと思います。

私自身、前職ではMicrosoft Officeを使っていて、ワウテックに入社してからWPS Cloud Proを使うようになったのですが、全く問題なく使えています。特に抵抗感もなく、切り替わっていることを意識するタイミングもなかったくらい、すんなりと業務になじみました。

実際の業務でも、お客様からMicrosoft Officeで作られたファイルをお送りいただく機会は多く、WPS Cloud Proを使ってそのファイルの閲覧や編集を行いますが、何の差支えもありません。

Q5. どんな導入効果を実感するお客さんが多いですか?

A. コストの部分で実感される方が多い。またDXやICT活用にも意外な効果が

やはりコストの部分で導入効果を実感されるお客様が多いですね。数字として見えるので、実感しやすいのだと思います。

あと、オフィスソフトに加えてクラウドストレージがついてくる点に、予想外の効果を実感されるお客様もいらっしゃいますね。オフィスソフト目的で契約されるお客様がほとんどなので、クラウドストレージはあくまで「付随品」のように認識されていることが多いのですが、その有用性やメリットを説明すると活用に意欲を示されるお客様が多いんです。

クラウドストレージ単体で導入するのは少々ハードルが高いですが、オフィスソフトに付随してくる形だと気軽に試せます。そのことがICT活用やDXの推進に意外な効果を発揮しているみたいです。

実際、クラウドストレージを業務で使用するところまで進められているお客様はまだ少ないです。しかし、社内専用の共有サーバーやメールを使った資料共有に課題感を覚えている企業様は多いので、クラウドストレージの活用についてもCSとしてサポートしていけたらなと考えています。

Q6. ツールが定着するまで「どれくらいの期間」が必要ですか?

A. 定着させることよりもはじめの準備に時間がかかる

管理者様の準備ができ次第、即日という感じです。「定着するまで」というよりも、はじめの準備に時間がかかる印象があります。

導入してしまえば、あとはアカウントを配布するだけで利用開始できますし、Microsoft Officeと使用感は大きく変わらないので、慣れるために必要な期間もほぼ不要です。ユーザー側はすぐに使い始めていただけると思います。

Q7. WPS Cloud Proはどんな人におすすめですか?

A. コストパフォーマンスに魅力を感じる方はぜひ

「ITインフラにかかるコストを削減したい方」「従業員の増減がこまめにある方」「PDF編集がやりたい方」におすすめしたいです。WPS Cloud Proの強みである「コストパフォーマンス」を活かしていただくことで、コストを抑えながら柔軟なオフィスソフトの活用を実現いただけます。

また、PDF編集は別のツールを利用している企業も多いと思うので、その場合はツールの一本化によるコストの圧縮も叶えていただけます。

A.「まとめてIT化」で DX推進やICT活用の“第一歩”を

加えて、特におすすめしたいのが、「これからDX化やICTの活用を推進していきたい」と考えられている企業様です。

WPS Cloud Proは、オフィスソフトとクラウドストレージが1つになったITソリューションであり、ビジネスには欠かせない「文書(ドキュメント)」にまつわる業務のIT化に大きく貢献します。文書作成や表計算が行えるオフィスアプリに加え、それらで作成したファイルをクラウド上で一元管理できるクラウドストレージの機能もご利用いただけます。

WPS Cloud Proひとつで、ファイルの作成から保存、管理まで、「まとめてIT化」していただくことができるんです。

さらに価格もリーズナブルです。コストを抑えてDX化やICTの活用を推進したい企業様の「第一歩」にピッタリのクラウドツールだと考えています。もちろん、テレワークやモバイルワークといった新たな働き方の実践にも役立ちます。

Q8. WPS Cloud Proをうまく運用するためのポイントやコツは?

A. 互換オフィスソフトとしての特性や互換性を把握しておくこと

あくまでも“互換”オフィスソフトなので、その特性や互換性を把握したうえで必要な部署に導入いただくのが、うまく運用するためのポイントだと思います。

経理部のように、業務上Microsoft Officeが必須の部署もあります。そういった部門との業務連携にあたってファイルの互換性に問題が生じないかどうか。WPS Cloud Proでは補えない領域があるのかどうかを導入前に見極めておくことが、スムーズな導入においては重要であると考えています。

Q9. WPS Cloud Proのおすすめ機能は?

A. PDF編集とオールインワンモード

PDF編集と「オールインワンモード」ですね。PDF編集は先ほど申した通り、資料の修正時に元のファイルから編集する手間が省けるので重宝しています。オールインワンモードはWPS Cloud Proの特徴的な機能のひとつで、端的にいうとWriterやSpreadsheetsのアプリをWPS Cloud Proのデスクトップアプリ内で同時に開いて操作できる機能です。

異なる拡張子のファイルであってもWPS Cloud Proのアプリ内で同時に開いて作業できます。ウィンドウを切り替える必要がなく、例えばSpreadsheetsで作った表をプレゼンテーションに転記したいときも、タブの切り替えだけですぐに転記できるのでとても便利です。

Q10. カスタマーサクセスとしての方針を聞かせてください。

A. お客様の不安や疑問を払拭する“能動的”なサポートを

多くのお客様がMicrosoft OfficeからのリプレイスでWPS Cloud Proを使っていただいています。新しいサービスへの移行には不安や疑問がつきものなので、そちらを払拭できるような能動的なご案内、また実際にリプレイスするにあたっての細かい設定や社内定着に向けて「二人三脚」でサポートさせていただきたいと思っています。

編集後記

今回は、中の人シリーズ第2弾「CS編」ということで、CSリレーション部に所属する作本さんにお話を伺いました。CSはSaaSサービスとともにその概念が普及してきた比較的新しい職種なので、実際の製品を導入して初めてその存在に触れるお客様も多いかと思います。

インタビュー内でも説明がありましたが、CSとは「お客様と二人三脚になって、導入時に掲げていた目標の達成まで共に駆けていくこと」をその役割とする仕事です。設定や運用が複雑化しやすいSaaSツールにおいて、そばについてサポートしてくれるCSは、サービス提供者である我々にはもちろん、お客様にとっても必要な不可欠な存在であると、インタビューを通じて強く感じました。

取材にご協力いただいた作本さん、貴重なお話をありがとうございました。 

エディター:ひよし りゅう